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界面活性剤って何?洗濯で洗剤は必要?洗剤の役割や環境に優しい洗濯のコツを洗濯研究家が解説

平島利恵洗濯研究家
洗剤の働きを知って、正しい洗濯を!

洗濯研究家の平島利恵です。「界面活性剤って何?」「洗剤は環境に悪いのでは?」といった疑問を耳にすることがあります。確かに、洗剤には化学成分が含まれているため、不安を感じる方もいるでしょう。今回は、洗剤の必要性、界面活性剤の働き、生分解性について分かりやすく解説し、洗濯時の環境への配慮ポイントもお伝えします。

なぜ洗濯洗剤が必要なのか?

洗濯は衣服に付着した汚れを落とすための行為です。汚れには主に3つの種類があります。

  1. 水溶性汚れ
    汗や砂糖など、水だけで落ちる汚れ
  2. 油溶性汚れ
    皮脂や食べこぼしの油汚れやメイクなど、水では落ちにくい汚れ
  3. 不溶性汚れ
    泥やカーボンなど、水や油だけでは落とせない汚れ

衣服に付着する汚れの多くは皮脂油汚れで、水だけでは十分に落とせません。そこで活躍するのが「界面活性剤」を含む洗剤なのです。

界面活性剤とは?

界面活性剤は、洗剤の主成分であり、「水」と「油」という混ざり合わない性質を結びつける役割をします。

  • 湿潤作用
    汚れや繊維表面に浸透し、汚れを浮き上がらせる
  • 乳化・分散作用
    浮き上がった汚れを小さく分解し、水中に分散させる
  • 再付着防止作用
    汚れが繊維に戻らないように包み込む

これにより、洗剤は繊維に入り込んだ汚れをしっかり落とし、衣服を清潔に保ちます。

身近な界面活性剤の例

マヨネーズの「油」と「酢(水分)」は本来混ざり合いませんが、卵黄に含まれるレシチンという天然の界面活性剤がそれを均一に混ぜ合わせています。洗剤の仕組みもこれと似ています。

生分解性とは?

「洗剤が環境に悪いのでは?」という不安に対しては、生分解性が重要なキーワードとなります。生分解性とは、洗剤や汚れ成分が、微生物の働きによって水や二酸化炭素に分解される性質を指します。

市販の洗剤は、生分解性に優れた成分が使用されており、下水処理場で分解された後、自然環境に放出されます。洗剤が河川や海洋環境に与える影響が最小限に抑えられるよう設計されているんです。

洗剤選びのポイントと正しい使い方

1. 洗剤の種類を知る

洗濯洗剤には主に2つの液性のものがあります。

  • 中性洗剤
    デリケートな衣類に適しており、風合いを保つ効果が高い。冬のセーターやオシャレ着におすすめ。
  • 弱アルカリ性洗剤
    皮脂や油汚れに強く、日常の汚れやタオルの黄ばみをしっかり落とします。

2. 洗濯表示を確認

衣類の洗濯表示を確認し、適した洗剤を選びましょう。例えば、手洗い表示のあるデリケートな衣類には中性洗剤を、普段着やタオルには弱アルカリ性洗剤を使うのがおすすめです。

3. 規定量を守る

洗剤を多く使えば汚れが落ちるわけではありません。洗剤が多すぎるとすすぎが不十分になり、汚れを含んだ洗剤成分が衣類に残ることで、肌トラブルや臭い・黒ずみの原因になることもあります。必ず計量して使用しましょう。

明日からできる、洗濯時の環境への配慮

  1. すすぎは2回以上
    すすぎ1回OKの洗剤でも、すすぎを2回以上にすることで、洗剤残りを防ぎ、衣類をより清潔に保てます。これにより1着の衣類をより長く着続けることができるようになります。
  2. マイクロプラスチック対策
    フリースなどの合成繊維を洗う際は、目の細かい洗濯ネットを使用し、洗濯機のフィルターをこまめに掃除することで、マイクロプラスチックの流出を防ぎましょう。
  3. 節水と洗浄力のバランス
    汚れがひどい衣類やタオルは、つけ置き洗いを活用し、水を節約しつつ洗浄力を高めましょう。

洗濯は、私たちの毎日の生活を清潔で快適に保つために欠かせない行為です。洗剤や界面活性剤について正しく理解し、環境への配慮も考慮した洗濯を心がければ、安心して洗濯を楽しむことができます。日々の洗濯が少しでもストレスフリーで気持ちの良い時間となりますように!

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洗濯研究家

2004年武庫川女子大学を卒業。株式会社リクルートに入社し、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンプランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。クリーニング師。

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