Yahoo!ニュース

洗濯ネットで簡単に!環境に優しいマイクロプラスチック削減方法を洗濯研究家が解説【SDGs実践】

平島利恵洗濯研究家

洗濯研究家の平島利恵です。
「マイクロプラスチック」という言葉をご存知ですか?5mm以下のプラスチックの微小粒子のことで、環境中に放出されると、海洋や河川を汚染し、海洋生物を通じて人間の食物連鎖にまで影響を及ぼすため深刻な環境問題となっています。

特に、合成繊維を含む衣類を洗濯する際に発生する「マイクロプラスチック繊維」が、環境汚染の原因と言われており、例えばポリエステル衣料を洗濯すると、1枚の衣類当たり洗濯1回で1900本程度のマイクロプラスチックファイバーが発生するという調査結果も出ています。

今回は、私たちが毎日の洗濯で取り入れるべき対策を紹介します。

洗濯によるマイクプラスチック流出を防ぐ4つのこと

1. 洗濯ネットの使用

環境省は、0.05mm以下の細かい網目の洗濯ネットを使用することを推奨しています。洗濯ネットを使用することで、衣類同士の擦れが減り、繊維くずが出にくくなります。

2. フィルターのこまめな掃除

洗濯後は、糸くずフィルターや乾燥フィルター、排水フィルターなどのフィルターを毎回掃除しましょう。マイクロプラスチックの原因となる繊維くずの流出を防ぎ、洗濯機自体も清潔に保つことができます。

3. 洗濯方法の工夫

低温での洗濯や衣類に合わせた洗濯コースを選ぶことで、摩耗を軽減し、衣類からのマイクロプラスチックの排出を抑えることができます

4. 環境に配慮した衣類選び

マイクロプラスチックの排出を減らすためには、天然繊維の衣類を選ぶことが重要です。合成繊維はプラスチック製の素材であり、洗濯するたびに微小な繊維が流出します。そのため、綿ウールなどの天然素材を選ぶことで、環境への影響を軽減できます。

未来のために明日からできることを

洗濯から発生するマイクロプラスチックは、海洋汚染や生態系への影響が深刻です。しかし、洗濯ネットの利用やフィルターの掃除、洗濯方法の工夫をすることで、私たち一人ひとりがその影響を抑えることができます。ぜひ、日々の洗濯習慣を見直し、環境に優しい洗濯を心がけてみてください。

【参照:環境省「衣料品から出るマイクロプラスチックの流出防止リーフレット」(外部リンク)】

洗濯研究家

2004年武庫川女子大学を卒業。株式会社リクルートに入社し、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンプランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。クリーニング師。

平島利恵の最近の記事