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東京の雪 予想外でヒヤリとしたこと

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2月11日午前8時、関東平野に積もった雪(ウェザーマップ作画)

 大雪から一転、11日(土)の関東地方は朝から青空が広がり、関東平野に積もった雪がくっきりと見えました。関東の北西部、東京多摩地域から埼玉県、群馬県にかけて、白く見えているのが10日に降った雪です。

 これが昼過ぎにはこの通り。関東平野の雪は消えてしまいました。

2月11日午後1時の関東平野(ウェザーマップ作画)
2月11日午後1時の関東平野(ウェザーマップ作画)

予想以上の気温の低下で

 10日は一時、東京23区に大雪警報が発表され、雪の降り方が強まったことからヒヤリとしましたが、概ね予想通りでした。首都圏の降雪予想は難しいと言われながらも、予想の精度は向上しています。

 それでも予想が大きく外れた場面がありました。それが気温の予想です。

【東京の地上気温】予想と実況を比較したグラフ(筆者作画)
【東京の地上気温】予想と実況を比較したグラフ(筆者作画)

 気温の予想には数値予報モデルの違いから主に2通り(赤線と青線)あり、これらから総合的に判断します。

 では、実際の気温変化はどうだったのかというと、灰色の線で示した通りです。都心で雪が降り始めた7時以降、東京の気温は急激に下がりました。10時には気温が0.1度となり、予想との差は最大で3.7度に達したのです。

 気象庁が警戒を呼びかけた「地上気温が予想より低くなった場合には23区でも大雪警報を発表する可能性がある」という状況になったのです。

 この状況が長く続いたら、予想を超える雪が降ったことでしょう。ただ、12時頃から、気温が上昇に転じ、予想していた状況に戻りました。

バレンタイン頃は冬晴れに

 東京都心では例年、積雪が予想されるような日が2日~3日程度あります。今年はこれで終わりとは思えず、今後も気象条件が重なる日があるでしょう。

【東京】この先10日間の天気予報:気象庁の週間天気予報にウェザーマップの予想を追加した(ウェザーマップ作画)
【東京】この先10日間の天気予報:気象庁の週間天気予報にウェザーマップの予想を追加した(ウェザーマップ作画)

 ただ、当面は雪の降る日はなさそうで、バレンタイン頃から冬晴れ、風が冷たくなる見通しです。受験もラストスパート、天気が荒れないことを願うばかりです。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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