イ・ボミよりも13歳若い元「スーパー中学生」が優勝。来日経験もあるユ・ヘランとは
先週末、韓国ではKLPGA(韓国女子プロゴルフ)ツアーの国内第9戦となる「済州サンダースマスターズ」(賞金総額8億ウォン=約8000万円)が行われた。
イ・ボミら日本ツアー勢や女子ゴルフ世界ランク上位者が多数
同大会にはイ・ボミ、イ・ミニョン、ぺ・ソンウら日本女子ツアー(JLPGA)勢や全米女子ツアー(LPGA)勢も多数出場。世界ランク1位のコ・ジンヨン、3位のパク・ソンヒョン、6位のキム・セヨン、10位のキム・ヒョージュ、11位のパク・インビ、13位イ・ジョンウン6、14位のユ・ソヨンなど、文字通りトップ選手が勢ぞろいしたことで多くの注目を集めた。
ただ、世界ランク1位のコ・ジヨンヨンはトータル10アンダーで20位タイ、パク・インビ、ユ・ソヨン、ペ・ソンウはトータル11アンダーで15位タイ。イ・ボミも今季最高9位タイでフィニッシュしたが、トータル13アンダーで優勝には届かなった。
優勝したのは、大会前にイ・ボミや前出した全米ツアー勢たちと肩を並べていたルーキーのユ・ヘランだ。初日から「65」で首位に立つと、「67」(2日目)、「65」(3日目)、「68」(4日目)をマークし、トータル23アンダーで優勝した。
(参考記事:ノースリーブ姿のイ・ボミも!韓国女子ツアーのフォトコールに日米のスター選手集結【PHOTO】)
韓国女子ゴルフ界の元「スーパー女子中学生」
ユ・ヘランは2001年3月生まれでまだ19歳。「パク・セリキッズ」とも言われるイ・ボミやパク・インビが1988年生まれなので、先輩たちよりも13歳も若い。小学1年生からクラブを握ったそうなので、イ・ボミやパク・インビがプロになった頃にゴルフを本格的な始めたことになる。
ただ、実はこのユ・ヘラン、数年前までは「スーパー女子中学生」として有名だった。
2014年にはKLPGA会長杯優勝、2015年には「エビアン・チャンピオンシッブ ジュニアカップ」優勝など、国内外のアマチュア大会で数多くのタイトルを総ナメにし、2016年1月には中学生ながら、一年間にわずか8人しか選ばれないT韓国国家代表にも選ばれている。
その年5月には「全米女子オープン韓国地域予選」で優勝し、アマチュアとして「全米女子オープン」にも出場。7月には「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」に招待選手として来日もしている。
その後、アマチュア3年間で優勝10回。2018年のジャカルタ・アジア大会ではチーム最年少ながら団体銀メダルに貢献。
2019年5月からプロ転向し、最初はKLPGAツアーの2部ツアーにあたるドリームツアーを戦ったが、昨年の「済州サンダースマスターズ」には推薦枠で出場して優勝していた。つまり、まだ19歳なのにタイトル防衛、2連覇である。
「ルーキーがディフェンディングチャンピオンとして出場することも、連覇することも珍しいことだと聞いていましたが、やり遂げることができて光栄です」(ユ・ヘラン)
若くて強い「女子プロゴルフ ミレニアム世代」
それにしても、韓国女子ゴルフ界の若返りは本当に著しい。
2018年には新人王と年間MVP、2019年には年間MVP、最多勝(5勝)、平均ストローク賞(70.47打)、人気賞、ゴルフ担当記者が選定するベストプレーヤートロフィー、そして賞金女王と6冠に輝いたチェ・ヘジンは1999年生まれの21歳。
チョ・アヨン、イ・スンヨン、イム・ヒジョンら昨季はルーキーながら優勝して“ミレニアム世代”旋風を巻き起こした彼女たちは2000年生まれ。“遅れてきたミレニアム世代”パク・ヒョンギョンは今季すでに2勝を挙げている。
それに続く形で今度は19歳のユ・ヘランが、日本ツアー勢や米国ツアーで活躍する実力者たちよりもはるかに上回るスコアで優勝してしまったのだ。
イ・ボミ、パク・インビ、申ジエ、キム・ハヌルら「88年世代」も、コ・ジンヨン、パク・ソンヒョン、キム・ヒョージュら米国ツアー勢も気が引き締まる思いだろう。
韓国女子ゴルフ界の世代交代からは今後も目が離せそうにない。