【京都市西京区】6月30日に食べる水無月の美味しい和菓子屋さんが洛西にも 店主に由来を教えてもらった
ちょうど1年の半分にあたる6月30日に、半年の間に身に溜まった穢れを落とし、残り半年の息災を祈願する神事「夏越の祓」が京都の各神社でも行われるようです。
さて、この夏越祓の時期には、京都の各和菓子屋さんでこぞって水無月が販売されています。はい洛西にもちゃんとありますよ! 阪急上桂駅から西へ府道29号線と交わる山田口の交差点西入ルにある「上桂満月堂」2代目店主の奥条伸二さんにその由来などを聞いてみました。
この風習は、「かつてこの時期に皇室や貴族など高貴な人々は涼やかな山中などに設置された氷室(氷室)に蓄えられた氷を献上させ、それを食べることで涼をとっていましたが、当時は冷蔵庫もない時代、庶民には高価でとても手に入らなかったため、白の外郎(ういろう)生地に小豆をのせ、三角形に切った菓子を代わりに食べて涼を感じたのが始まりといわれているんですよ。」との事。
小豆は悪魔払いの意味があり、三角の形は暑気を払う氷を表しているといいます。さて、上桂満月堂の水無月は、三角形で一つが基本、米粉と小麦を混ぜて蒸しあげ、外郎生地をつくり、上に上質の京丹波の大納言を載せています。白と黒砂糖の二種類があります。食べて見るとしっとりとやわらかい生地の上の甘過ぎない大粒の小豆がいい仕事をしていて美味い!
他にも、一口サイズが食べやすいかりんとう饅頭で桂名物の「苔の石」、香ばしくこんがりと揚がった生地の中からしっとりとした粒あんが出てきます。人気の粒あんと柚子あん2色の「九重最中」、自家製の「若鮎」や、「いちじくパイ」などオリジナル商品がたくさんあります。値段もいたってリーズナブルです。手土産などにも最適ですね。
上桂満月堂は、平成2年(1990年)に嵯峨野発祥の「満月堂」から縁戚への暖簾分けで創業されました。ちなみに満月堂の名の由来は、昭和28年(1953年)の創業時に初代が中秋の名月鑑賞の地、大覚寺大沢の池にて名月を観た際、そのあまりの美しさに感動し屋号を「満月堂」と定めたといいます。
上桂満月堂では、地元の小学校の町体験なども受け入れたり、地域密着の店として地元に親しまれています。松尾大社、鈴虫寺や苔寺、浄住寺、地蔵院などへお越しの際はぜひお立ち寄りください!
「上桂満月堂」 京都市西京区山田弦馳町1-15 075-392-0479