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あまちゃんとネットの濃密な関係、ラスト1ヶ月にむけてさらに加速の予感

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー

NHK朝の連ドラ「あまちゃん」の人気がとどまるところを知りません。

北三陸編から東京編に舞台が移り、主人公である天野アキのアイドルとしての成長も、ひとつ上のステージに上がっていこうとしています。また、物語としては、9月末のエンディングに向かって、最後の追い込みの時期となってきています。

放送開始当初から話題となっていましたが、この最後の1ヶ月のどこかで、きっとドラマの中に「東日本大震災」が描かれるはずです。そこで何が起きるのか?、宮藤官九郎は、震災をどう描くのか?、いやそもそもあまちゃんというドラマの最後を見届けたいという様々な欲求から、この最後の1ヶ月をそれもリアルタイムで視聴したいという声が増えています。

ただ、朝の連ドラというのは、一般的な12話程度で終わるような一般的なドラマと違い毎日15分とはいえ、話数が多いため、あとから追いつくのは、かなり大変です。このため、人気を受けて、NHKでは朝の連ドラとしては珍しく、総集編を放送したり、朝まで過去の放送を流すといったことをしています。さらに、Youtubeには、NHKの公式アカウントで、過去のダイジェストがアップされており、最悪それさえみれば、なんとか話にはついていけるようになっているわけです。

もちろん、今時のドラマですから、NHKのあまちゃんの公式サイトには、出演者の裏話などのコンテンツは充実しています。でも、あまちゃんとネットの関係は、そういう話だけじゃないです。

最近、私は朝のあまちゃん(朝あま)を見るまでは、ネットを見ないようにしています。なぜなら、ツイッターにしろ、facebookにしろ、そこには、きょうのあまちゃんに関する言葉が並びまくっているからです。ネタバレが嫌なわけではないのですが、まずは他の人の感想を見ることなしに、自分で味わいたいというのが人情というものでしょう。

また、あまちゃんの舞台であるアイドルの世界でも、あまちゃんは少しだけ前の時代の話ですが、すでにネットとアイドルの関係が、何度も登場しています。潮騒のメモリーズのファンが作った勝手サイト。すさんだユイちゃんの様子もネットで共有されていました。もちろん、こういったファンとアイドルの関係は、実際の今のアイドルの世界では、ソーシャルメディアやUstreamツイキャスといった動画配信も交えて、もっとファンに近いところ、ファンが参加できる状況になってきています。

広告の世界では、長く消費者を「360度」で囲む戦略が用いられてきました。しかし、ここまでスマホやソーシャルメディアを通じてネットが生活の軸に入り込んでくると、この戦略は、365日戦略に切り替わっていくことを余儀なくされています。(参考記事:AKQAレイ・イナモトが考える「新時代を生き抜くための4つのアイデア」)広告のこういった動きの先行事例として、アイドルとファンの世界を見てみると、そこにいろいろなヒントが隠れていると、私は考えています。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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