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「良かれと思っていた…」多くの飼い主がやりがち!犬や猫にしてはいけないこと3選

松永由美ペットケアアドバイザー|ペットロスカウンセラー

犬や猫と暮らす人の多くは、彼らのことを単なるペットではなく「家族の一員」として大切にしています。ところが、大切にするあまり行っていることが、犬や猫にとっては逆効果になることも…。今回は、飼い主さんが良かれと思ってやりがちな犬や猫にしてはいけないことを3つご紹介します。

犬猫にしてはいけないこと1:硬水をあげる

愛犬や愛猫を大切にするあまり、お水にも気を配っている飼い主さんも時々見かけます。筆者が以前勤めていたペットホテルにワンちゃんを預けに来たお客さまも「水道水では可哀想だから、飲み水はこれをあげて」と、ペットボトルのミネラルウォーター(硬水)を持参されていましたが、じつはこれはNG!

人にとって硬水はミネラル補給に適しており、マグネシウムやカルシウムが血液をサラサラにしたり便秘を解消してくれたり、健康にいいイメージですよね。

一方で、犬や猫は硬水に豊富に含まれているマグネシウムを体内で分解することが苦手です。その結果、硬水を飲み続けているとマグネシウムが分解されないまま体内に残り、結石となってしまう危険があるのです。

結石は結晶のような細かいうちであれば薬で対処できますが、大きくなってしまうと開腹手術が必要となりますし、場合によっては死に至ることもあります。

とはいえ、ミネラルウォーター全てが犬や猫にとっていけないわけではありません。あくまでも“硬水”が向かないだけなので、水道水に抵抗があってどうしてもミネラルウォーターをあげたい場合は“軟水”を選ぶようにしましょう。最近ではペット用のミネラルウォーターも市販されているので、適宜使うようにしてください。

犬猫にしてはいけないこと2:ごはんの種類を頻繁に変える

筆者は現在ペットショップで働いているのですが、ペットのごはんについてお客さまからご相談されることも多くあります。その中で特に多いのが「いつも同じ種類のごはんだと飽きてしまうのでは?」という内容です。

確かに、ワンちゃんや猫ちゃんでもずっと同じものを食べ続けて飽きてしまうことはよくあります。しかし、だからと言って頻繁にごはんの種類を変えてしまうのは危険です。

というのも、犬や猫のお腹はとてもデリケートで食べ慣れないものを与えると消化器官にかかるダメージが大きくなってしまいます。そのため、ごはんの種類を頻繁に変えると、消化不良を起こし嘔吐や下痢につながってしまうことがあるのです。

下痢や嘔吐を甘く見てしまう飼い主さんも多いのですが、私たちの何倍ものスピードで成長している犬や猫は、病状が悪化するのもとても早いです。「ただの下痢」なんて思っていても、それが脱水症状につながり最悪命を落としてしまうこともあり得るので注意が必要です。

また、犬や猫にも食品に対してアレルギーを持つ子もいるため、頻繁にごはんを変えてしまってはアレルギー症状を引き起こすリスクも増してしまいます。

「シニアになったからシニア用に」「病気になってしまったので療法食に」といった適切な切り替えはもちろん必要ですが、基本的には同じごはんをあげ続けるのがオススメです。切り替えの際には急に新しいごはんをあげるのではなく、7〜10日ほどかけて徐々にこれまでのフードから新しいものに変えていってくださいね。

犬猫にしてはいけないこと3:四六時中、いつでも一緒にいる

「愛犬や愛猫が寂しい思いをしないように」と、四六時中どんな時でも一緒にいるようにしている飼い主さんも多いですよね。ペット想いでとても素敵だと思うのですが、じつはこの計らいにペットを“心の病気”にしてしまう危険が潜んでいるので注意が必要です。

みなさんは“分離不安症”という病気をご存知でしょうか?

分離不安症は、飼い主など心を許している相手が自分から離れることで大きな不安を抱き、犬・猫の行動や体調に異変が生じる病気です。

分離不安症になると飼い主と離れるのが寂しいどころではなく、とてつもなく不安になってしまうため、その不安を紛らわすためにさまざまな異常行動を起こします。

  • 飼い主の姿が少し見えなくなるだけでも後追いをする
  • 飼い主が出かけると、帰ってくるまで大声で鳴き続ける
  • 飼い主の留守中にトイレではない場所に粗相をする
  • 帰宅すると部屋の中のものが破壊されている

このようなことが続く場合は、ペットが分離不安である可能性が高いです。

分離不安症に陥る原因にはストレスや過去に怖い経験をしたトラウマなどもありますが、犬や猫を構いすぎたことによって飼い主に依存してしまっているケースも多くあります。

先ほどもお話したように分離不安症は心の病なので、動物病院での治療のほかに専門のトレーナーによるトレーニングが必要な場合もあり、完治までには長い時間を要します。

「ペットが寂しい想いをしないために」とずっと一緒にいたことが、かえって愛犬や愛猫を不安な気持ちにさせてしまった…。こうなっては飼い主さんもつらいですよね。

愛犬や愛猫が可愛いのはとてもよくわかりますが、彼らの健康のためにも日頃から適度な距離感を保ちながら接することが大切です。

お気に入りのおもちゃをあげたり落ち着いて過ごせるベッドを用意したり、愛犬や愛猫が1人の時間を楽しめる工夫を行いましょう。

※記事内容には個人の感想や見解を含みます。
※記事に含まれる内容は執筆当時の情報であり、現在と異なる場合がありますのでご了承ください。

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ペットケアアドバイザー|ペットロスカウンセラー

トリマーでしたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーなどの動物関連資格を取得。現在は、ペット関連メディアへの記事や台本の提供・ペットロスカウンセリング・ペットショップでのお世話スタッフなど、動物に関する活動を多数行っています。保有資格:愛玩動物飼養管理士2級・ペットセーバー・動物介護士・ペット終活アドバイザー・動物健康管理士など。

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