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「株式会社ふくや」に拍手!! 賢明な判断をしたアビスパ福岡のスポンサー #専門家のまとめ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 2007年からアビスパ福岡をスポンサードしてきた明太子メーカー、「株式会社ふくや」が2025年1月末を持って契約を終了する。長期にわたってクラブを支え続けた地元企業にとって、自社の理念を大事にするが故の判断である。

ココがポイント

明太子メーカーの株式会社ふくやが、アビスパ福岡とのスポンサー契約を終了
出典:超WORLDサッカー! 2024/12/31(火)

パワーハラスメント歴のある金明輝監督が就任したJ1のアビスパ福岡の主要スポンサーが、来シーズン契約を更新しないと発表
出典:RONSPO 2024/12/31(火)

アビスパ福岡の主要スポンサーの一つ、「ふくや」が30日、2025年1月末でスポンサー契約を満了すると発表した。
出典:西スポWEB OTTO! 2024/12/31(火)

エキスパートの補足・見解

 アビスパ福岡は、来シーズンから金明輝を監督に据えた。ここで改めて述べるまでもなく、サガン鳥栖時代の暴力指導、パワハラで名を馳せた人物だ。

 ふくやの川原武浩社長は、「企業として健全に事業を進め、確実に利益を上げながら発展していくためのパワーを備える」「お客様をはじめ社員、取引先、株主などその企業を取り巻くあらゆる人々を大切にしながら、社会全体に貢献していく」ことを理念として掲げている。また、「社員一人ひとりが、どんなステージに立ったときでも自らの力で輝ける人間であってほしい。ふくやで学んだことを活かし、地域のさまざまなシーンでイキイキと活躍できる、そんな人材に育ってほしい。そのような社員を育てることができる社」を目指している。

 金による暴行、暴言によって傷付いた人間に寄り添うことをしないアビスパ福岡は、今回の川原氏の英断から、何を学ぶのか。ふくやの社長は、福岡のみならず、日本社会全体に非常に大きなメッセージを発したのではないだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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