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ESPNの「パウンド・フォー・パウンド」ランキングは、井上尚弥が3位、中谷潤人は10位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 2日前の本コーナーでは、CBS Sportsが発表した直近のパウンド・フォー・パウンドを記した。今回は、スポーツ総合チャンネル、ESPNが昨年12月27日に報じた同ランキングをご紹介したい。

写真:ロイター/アフロ

 1位はCBSと同じでヘビー級3冠王者のオレクサンドル・ウシク。試合直後から、タイソン・フューリーは「勝ったのは俺だ!」と唱えているが、25キログラムの差を生かせなかったのだから、潔く敗北を認めるべきだ。

写真:ロイター/アフロ

 2位はテレンス・クロフォード。2024年は8月の1試合のみだったが、2023年7月のエロール・スペンス・ジュニア戦で放った圧倒的存在感が、記者たちの胸に残っているのだろう。

写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 こちらは3位が井上尚弥である。今月24日に仕切り直されたサム・グッドマン戦で、米国のボクシングジャーナリズムにもインパクトを与えてほしい。

写真:ロイター/アフロ

 4位はCBSと同じでWBA/WBC/IBF/WBO統一ライトヘビー級王者のアルツール・ベテルビエフだ。昨年10月に、WBA王者だったディミトリー・ビボルを下して4冠を統一した。2月の再戦で、どのようなパフォーマンスを見せるか。

写真:ロイター/アフロ

 5位がサウル・“カネロ”・アルバレス。WBA/WBC/WBOスーパーミドル級チャンピオンは、5月、9月にビッグマッチを行う傾向にある。対戦が噂されていたデビッド・ベナビデスが階級を上げてしまったので、相手探しが難しいか。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 6位にはベテルビエフに敗れたディミトリー・ビボルが入った。2月22日のリターンマッチに向けキャンプ中だ。前回の反省を生かし、いかなる戦略で挑むのか。

 7位はWBCスーパーフライ級王者のジェシー・ロドリゲス。生まれも育ちもテキサス州サンアントニオの24歳。21戦全勝14KOのアメリカンは、やはり本場のメディアから注目されやすい。

写真:ロイター/アフロ

 8位がWBAライト級チャンプのジャーボンテイ・デービス。彼こそパウンド・フォー・パウンドKINGでもおかしくないが、私生活が乱れており、何度も警察沙汰になっているので票が集まらないのだと筆者は感じる。

 9位にはWBCライト級王者のシャクール・スティーブンソン。彼も2月22日にリングに上がる。とはいえ、デービスと統一戦を行えば勝ち目はないだろう。

撮影:筆者
撮影:筆者

 そしてESPNは10位を中谷潤人とした。2月24日に有明で、メキシコ人チャレンジャー、ダビド・クエジャルの挑戦を受ける。パウンド・フォー・パウンド1位を目指している彼は、2025を飛躍の年とするであろう。楽しみだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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