Yahoo!ニュース

不惑となった"KING"レブロンがジョーダンの記録を超えた

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 40歳となった“KING”レブロン・ジェームズが38得点を挙げ、ポートランド・トレイルブレイザーズを114-106で下した翌日、Crypto.comアリーナにアトランタ・ホークスがやってきた。

 KINGは、NBA30得点超えゲーム数でマイケル・ジョーダンの562に並んだ状態でTip offを迎えた。

撮影:筆者
撮影:筆者

 ブレイザーズ戦でのレイカーズは、アンソニー・デイビスを左足首の捻挫で欠いていた。

 「リバウンドとブロックで平均25点以上の選手が抜けてしまった。ADは我々の貴重な戦力。トップと呼んでもいい。彼がいない分を、自分も含めて補わねばならない」レブロンはそう言ってコートに立ち、38得点と自分らしさを見せた。そして試合後、「全員の協力があっての勝利だ」と振り返った。

撮影:筆者
撮影:筆者

 2試合連続のゲームとなったホークス戦で、デイビスはコートに復帰した。東地区10位のホークスに対し、西地区7位のレイカーズ。開始開始から43秒で先制点を挙げたのはデイビスだった。心配された左足首の影響は感じさせなかった。

 1QのKINGの得点は6。10分10秒、ドリブル中にコントロールをミスしてボールを奪われ、その直後にはボールを蹴ってバイオレーションを取られた。40歳にして2日連続のプレーが、厳しくなったか? と一瞬思った。

 しかし、レブロンは2Qにリバース・レイアップ、フェイドアウェイ・ジャンプショットと得点を重ねていく。レイカーズは1Qで5点のビハインドを負った時間帯もあったが、あれよあれよとゴールし差をつけていった。

 3Q終了時でレブロンの得点は21。11本中9本のシュートを成功させる。4Qに入っても勢いは止まらず、4分46秒から1分16秒間で3度ネットを揺らし、アリーナに詰めかけた18,997名のファンから大声援を浴びた。

撮影:筆者
撮影:筆者

 試合終了まで4分47秒という場面でKINGはコートを離れ、その3分6秒後に、愛息のブロニーがコートに入った。

 結局KINGは、30分ジャストのプレーで、30得点8アシスト3リバウンドをマーク。30点超えのゲーム数でジョーダンを上回った。チームも119-102で勝利。何より息子と同じコートに立てての記録更新。LAファンは温かい眼差しを送っていた。

撮影:筆者
撮影:筆者

 40歳になったKINGは、かつての彼では考えられないようなドリブル中のミスが目立った。無論、今後は加齢との闘いもある。だが、やはりコートで違いを出せる男だ。チケット完売となったCrypto.comアリーナにやってきた誰もが、それを感じていたであろう。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事