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CBSが発表したパウンド・フォー・パウンドで井上尚弥は2位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 米国時間のクリスマスイブに、CBS Sportsがパウンド・フォー・パウンド最新ランキングを発表した。

 ナンバーワンはオレクサンドル・ウシク。つい先日、25キログラムもの差があるタイソン・フューリーを3-0の判定で下したばかりなので、そのインパクトは大きい。本コーナーでも数日前に記したが、47.62キログラムのミニマム級と72.57キログラムのミドル級ほどの違いをもろともせず、同一の相手に2連勝したのだから、讃えられて当然だ。また、ウシクのパフォーマンスは、今尚戦火が止まない祖国の安らぎ、また希望ともなっている。

写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 井上尚弥は2位となった。2024年は東京ドームに4万3000人を呼び込むビッグイベントを成功させたが、頭抜けた存在であるためライバルが見当たらないところが難点か。彼の場合、仮に全勝の挑戦者を選んでもウシクのようなリスクがあるように映らない。

写真:ロイター/アフロ

 3位がテレンス・クロフォード。2023年にメガファイトで勝利し、4冠統一ウエルター級チャンピオンとなったが、昨年は1試合のみ。そこで、イスラエル・マドリモフを判定で下してWBAスーパーウエルター級タイトルを獲得した。

写真:ロイター/アフロ

 4位はWBA/WBC/IBF/WBO統一ライトヘビー級王者のアルツール・ベテルビエフ。昨年10月に、WBA王者だったディミトリー・ビボルに勝ち、4冠統一。間も無く40歳となるベテルビエフだが、衰え知らずである。

写真:ロイター/アフロ

 5位となったのは、ベテルビエフに敗れたディミトリー・ビボル。2月のリターンマッチに向け、調整中だ。是が非でも雪辱を果たしたいところだろう。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 6位は、かつてのパウンド・フォー・パウンドKING、サウル・アルバレスとなった。168パウンドの統一チャンピオンは、2024年5月に同じメキシカンのハイメ・ムンギアに勝利したが、デビッド・ベナビデスやテレンス・クロフォードと戦えというファンやメディアからの声に応じていないところ、KO勝ちがめっきり減った点でランクが下がったか。

写真:ロイター/アフロ

 7位がジャーボンテイ・デービスというのが、筆者には理解できない。彼こそナンバーワンでもおかしくない選手ではないか。

 8位に入ったのが、WBCスーパーフライ級王者のジェシー・ロドリゲスだ。21戦全勝14KOの彼は注目され始めたか。

 9位にはWBCライト級王者のシャクール・スティーブンソン。2月22日に防衛戦を控えているが、デービスと戦えば黒星だろう。

写真:ロイター/アフロ

 そして10位はデビッド・ベナビデス。2月1日のデビッド・モレル・ジュニア戦が待ち遠しい。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 実際に拳を交える訳でない架空の論議だと、「PfPに価値なし」という声もある。メディアの数だけ、見解も異なる。とはいえ、WBCバンタム級チャンピオンの中谷潤人が入っていない点が解せない。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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