ここ3年とも開幕スタメンの野手をレッドソックスがトレードで放出。白旗を掲げて売り手に回ったのか
7月25日、ボストン・レッドソックスは、キーケー・ヘルナンデスをロサンゼルス・ドジャースへ放出し、若手の投手2人を獲得した。
キーケーは、3年ぶりのドジャース復帰となる。2015年からドジャースで6シーズンを過ごし、2021年からレッドソックスでプレーしていた。
センターラインに位置する、センター、二塁、遊撃の3ポジションに加え、内外野の両コーナーも守るが、キーケーは、単なる控えのユーティリティではない。レッドソックスでは、3年とも開幕戦のスターティング・ラインナップに名を連ねている。それぞれのポジションは、2021年が二塁、2022年がセンター、2023年は遊撃だ。ドジャース時代も、2018~20年の開幕戦に、いずれも二塁手として先発出場した。
ただ、レッドソックスのキーケー放出は、今秋のポストシーズン進出をあきらめたという意味ではないはずだ。レッドソックスは、地区首位に9ゲーム差をつけられているものの、ワイルドカード・レースでは、ニューヨーク・ヤンキースとともに4番手に位置している。ポストシーズン進出となる3番手との差は、2.5ゲームだ。
2年前、キーケーは、134試合に出場し、20本塁打と35二塁打、出塁率.337を記録した。だが、2022年以降は、計179試合で12本塁打と35二塁打。出塁率は、昨シーズンが.291、今シーズンは.279だ。また、基本的にレギュラーの遊撃手としてプレーしてきた今シーズンは、守備も冴えなかった。
先月中旬から、キーケーの遊撃出場は減少している。さらに、今月上旬には、2ヵ月以上離脱していたユー・チャンが戻ってきた。続いて、トレバー・ストーリーのシーズン初出場も近づいている。
外野に、空きはない。吉田正尚、ジャレン・デュラン、アレックス・バーデューゴがいる上、こちらは、先月上旬にアダム・デュボールが復帰している(「開幕8試合で4本塁打&14打点のセンターが左手首を骨折。代わりに内野手が昇格する」)。この4人を同時に出場させるためだろう、DHのジャスティン・ターナーに二塁を守らせ、吉田をDHとして起用する試合も見受けられる。
二塁を守っているクリスチャン・アローヨは、キーケーとそう変わらない打撃成績ながら、キーケーのトレードの前日に、パブロ・レイエスが故障者リストから復帰した。また、ストーリーが戻ってきて遊撃を守れば、チャンは二塁に回る。あるいは、それとは逆の配置、二塁がストーリー、遊撃はチャンの併殺デュオもあり得る。
一方、ドジャースのキーケー獲得は、左投手用の外野手として起用するのが主な目的だろう。先月の中旬から、外野には3人の左打者、左から右に、デビッド・ペラルタ、ジョシュ・アウトマン、ジェイソン・ヘイワードが並ぶことが多い。