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球宴ファン投票の第1回中間発表で大谷以上の得票は5人。ジャッジ、ソト、ハーパー、ベッツにあと1人は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライス・ハーパー(左)とアレック・ボーム May 6, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先日、オールスター・ゲームの先発野手を決める、ファン投票の途中経過(第1回)が発表された。

 ファン投票は、2段階に分かれている。基本的には、現在、投票が行われているフェイズ1の各ポジション1位と2位が、フェイズ2の投票へ進む。外野手のフェイズ2進出は、1位~6位だ。ただ、フェイズ1の得票がリーグ全体で最も多い選手は、その時点で選出が決まる。この選手がいるポジションは、フェイズ2の投票を行わない。リーグ最多の得票が外野手の場合は、2位~5位の4人がフェイズ2へ進み、そこで上位の2人が選ばれる。

 第1回の中間発表で、100万以上の票を得た選手は、6人いた。ア・リーグ外野手トップ2のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とホアン・ソト(ヤンキース)が136万6315票と125万2020票、ナ・リーグ一塁手1位のブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)が111万562票、ナ・リーグ遊撃手1位のムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)が102万3690票、ナ・リーグ三塁手1位のアレック・ボーム(フィリーズ)が101万2174票、ナ・リーグDH1位の大谷翔平(ドジャース)は100万2377票。ヤンキース、フィリーズ、ドジャースの選手が2人ずつだ。

 この6人中5人は、これまでに少なくとも3度、オールスター・ゲームのメンバーに選ばれている(ファン投票以外も含む)。だが、ボームだけは、選ばれたことがない。

 ボームは、2018年のドラフトでフィリーズから全体3位指名を受け、2020年にメジャーデビューした。今シーズンは、メジャーリーグ5年目。8月に28歳の誕生日を迎える。

 今シーズンは、ブレイク中、と言っていいだろう。2020年は、出塁率.400とOPS.881を記録し、新人王投票で2位タイに位置したが、出場は44試合だった。過去3シーズンの出塁率は.305→.315→.327、OPSは.647→.713→.765。いずれも、115試合以上に出場し、2022年と2023年は規定打席をクリアしている。一方、今シーズンは、ここまでの出場70試合で出塁率.359とOPS.848。ホームランは7本と多くはないが、二塁打は両リーグ最多の26本を数える。パワーに関しては、まだ伸びしろがありそうだ。

 大谷を上回る票を得ているのは、フィリーズの強さに、ハーパーの存在も理由だろう。フィリーズのファンが、ハーパーと同時に、ボームにも票を投じているのではないかと思われる。

 それ以上に、ライバルの不在が影響しているのかもしれない。今シーズン、OPS.850以上を記録しているナ・リーグの三塁手はいない。ルーキーのジョーイ・オティーズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、出塁率.381とOPS.848ながら、打席はチームの試合数×3.1に達していない。

 ナ・リーグ三塁手2位のマニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)は26万7063票なので、ボームより74万5111票少ない。この差は、各ポジションの1位と2位のなかで最も大きい。それに次ぐのは、ナ・リーグDHだ。大谷は、2位のマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)に52万3839票差をつけている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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