地の底まで落ちたバレーボール女子韓国代表、開幕したVNLで復活なるか
パリ五輪の出場権もかかったFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)がいよいよ開幕する。まだ五輪出場権を手にしていない女子バレー日本代表にとっては最後のチャンスであるだけに大きな期待と注目が集まるが、お隣の女子バレー韓国代表も出場する。
韓国は現時点で世界ランキング40位であり、昨年9月のパリ五輪予選でも敗退したため、本大会出場の可能性が事実上消滅している。東京五輪で4位になったことが遠い過去の出来事のように思えるほどの不振ぶりだ。
(参考記事:もはや日本のライバルではない?韓国バレーの深刻な弱体化)
ただ、韓国のメディアやファンは注目している。新たに就任したフェルナンド・モラレス監督の初陣だからだ。
韓国バレーボール協会(KVA)は今年3月、世代交代によって弱体化していた女子バレープエルトリコ代表を世界ランキング現16位にまで引き上げ、指導力を認められたモラレス監督を、女子バレー韓国代表の新指揮官に選任した。
韓国女子バレーはキム・ヨンギョン(36)やキム・スジ(36)、ヤン・ヒョジン(34)らの代表引退以降、低迷が続いている。
VNLでは2022年から2年連続で全敗を喫した。2021年の3連敗も含めると大会27連敗だ。極度の不振が続いたことで、世界ランキングも40位まで転落した。
プエルトリコ代表監督時代に世代交代を経験しているモラレス監督は、「キム・ヨンギョンをはじめとする黄金世代が去った後、(成績が)良くないのは事実だ。世代交代は適応と過渡期が伴う。(韓国は)この2年間で過渡期を経た」とし、「これからは新しい代表として、世代交代を本格的に果たす準備ができた。キム・ヨンギョンのように一人ではなく、チームでプレーしなければならない」と強調した。
指揮官が強調しているのは“ワンチーム”だ。
モラレス監督は「スタープレーヤーの空白をほかのメンバーが埋め、一つのチームになることができれば、良いプレーができる。選手たちの基本技術はポジションに関係なく優れている。低く速いアタックを志向し、相手のブロックが落ち着く前に攻撃ルートを完成させる作業を進めている。現代バレーはミドルブロッカー、ウィング、パイプまで加わらなければならない。一人で40得点を出すのは不可能なので、皆がアタックに加担し、速いプレーで相手の予測を難しくしなければならない」としている。
選手たちも雪辱の意志を固めている。
カン・ソフィ(26)は「チームが2年間でたくさん負けた。自信がかなり落ちている状態だが、監督から“大丈夫だから(積極的なプレーを)試してみなさい”と伝えられた」とし、「攻撃的なプレーをたくさんお見せしたい」と伝えた。
ブラジル・リオデジャネイロで第1週を戦う韓国は昨日の中国(世界ランキング6位)との初戦をを皮切りに、17日にブラジル、19日にドミニカ共和国、20日にタイと対戦する。
アメリカ・テキサス州アーリントンで行われる第2週目では、5月30日にブルガリア、31日にポーランド、6月2日にトルコ、3日にカナダと対戦。
そして日本・福岡県での第3週目は、6月12日に日本、13日にフランス、14日にイタリア、16日にオランダの順で戦う。
モラレス監督はVNLに向けて、「チームが過去に国際舞台で良い成績を出した頃に戻れるよう努力する」と意気込みを伝えた。
世界ランキング9位の日本と対戦するとき、日韓の成績はどうなっているだろうか。6月17日のVNL予選ラウンド終了時点での世界ランキング次第で日本はパリ五輪出場の可能性があるだけに、バレー日韓戦の成績がパリ五輪出場国決定に何かの影響をもたらすかもしれない。