オートバイのあれこれ『ハチハチ。最もスパルタンなNSR』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日の日付は8月8日。
ということで、今日は『ハチハチ。最もスパルタンなNSR』をテーマにお送りします。
激化するレーサーレプリカブームのなか、1986年(昭和61年)にホンダがリリースした『NSR250R』。
当時のホンダのGPマシン『RS250RW』になぞらえて開発されたNSRは、それまでの2ストカテゴリーで優位にいたヤマハ『TZR250』やスズキ『RG250ガンマ』をも駆逐するほどの戦闘力を備えていました。
しかし、メーカー同士の熾烈な開発競争の下でホンダが手を緩めることはなく、88年初めには早くも二代目となるMC18型NSRをリリースします。
そう、今日の日付と同じ「ハチハチ」NSRです。
初代MC16型もなかなかの割り切りっぷりでしたが、ハチハチではいっそうその鋭さに拍車がかかっていました。
フレームやサスペンション等、車体の作りは高荷重を想定したハードな設定(≒サーキット指向)となっており、エンジン関連においても、市販オートバイでは史上初となるコンピューター制御式キャブレター『PGMキャブレター』を装備するなどし、性能をフルに引き出すにはより高度なテクニックが求められるようになっていたのです。
また、エンジン出力を抑えるリミッターを簡単に解除できるようになっていたことも、ハチハチのトガったイメージを助長していたことでしょう。
ハチハチはもちろん公道を走るための量産市販車ではあったものの、キャラクターとしては公道走行をほとんど視野に入れていないようなオートバイに仕上がっており、そのスパルタンさが後の「歴代NSRの中で最強」というような評価へとつながることになりました。
そしてこのハチハチ以降、ホンダも含め各メーカーは、レプリカモデルであってもある一定の扱いやすさ・親しみやすさをもたせるようになります。
ハチハチNSRは、80年代レプリカブームの過激さを象徴する存在だといっていいでしょう。