寒い時期こそ注意!赤ちゃんを乳幼児突然死症候群から守るためにできること
毎年11月は乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と厚生労働省が定めています。
なぜ11月なのでしょうか?これは意味もなく11月なわけではありません。乳幼児突然死症候群は12月以降の冬期に発症しやすい傾向があるため、その注意喚起のために11月を対策強化月間と定めているのです。
この記事では『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』著者の乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが、大切な赤ちゃんを悲しい事故から守るための予防策を解説していきます。
なぜ寒い時期に増える?
乳幼児突然死症候群はなぜ寒い時期に増えるのか。その理由は「温めすぎ」にあると考えられています。
寒くなってくるとつい親心としては「風邪をひかせてはいけない」とたくさんの服を着せたり、毛布をかけたり、ご家庭によっては電気毛布などを使われるご家庭もあるかもしれません。
しかし、これらの温めすぎる行為は乳幼児突然死症候群の発生リスクを高めてしまいます。もちろん、適度に服を着せて暖かくしてあげるのは大切ですが、暖房とのバランスを考えて着せすぎないようにしてあげることが重要です。
室温ごとの適切な服装については動画で解説しています。
特に電気毛布は危険性が高いです。赤ちゃんは体の動かし方にも慣れていないうえに、体温調節機能がまだ未熟です。そのため、暑くても寝返りをうって熱を逃すこともできなかったり、はぎたくてもうまく毛布をはげなかったり、汗をかいて体温を調節することができません。
熱を発し続ける電気毛布は非常に危険なので、赤ちゃんへの使用は絶対に避けてください。
毛布や掛け布団をかけないと寒いのでは?
では一般的な毛布や掛け布団ならよいのか、というと0歳児はそれも避けることをおすすめします。
体が未発達でうまく布団をはぐことも、寝返りをうったり顔をよけたりすることができないとリスクを伴うためです。
掛け布団の上に寝返りをしてうつ伏せになった場合、鼻や口が掛け布団に埋もれてしまって呼吸ができなくなる危険性があります。
そのため、掛け布団や毛布などやわらかいものを寝床に置かないようにすることをおすすめします。アメリカの小児科学会が発表している「安全な睡眠のための推奨事項」にも寝床に枕を含めたやわらかいものを置かないようにと注意喚起がされています。
寒い日に安全・快適に寝るためには?
寒い冬でも安全に、そして快適に寝てもらうためのポイントは3つです。
①掛け布団の代わりにスリーパーを使う
②暖房を活用する
③あたたかい敷パッドを活用する
詳細は動画の中で解説をしていますが、布団をかけないからといってパジャマだけでは寒いこともありますよね?そういうときには「スリーパー」や「スリーピングバッグ」などのアイテムを活用するようにしてください。
乳幼児突然死症候群を防ぐために
厚生労働省からは以下の3つのポイントが挙げられています。
①あおむけに寝かせること ②周囲での喫煙をやめること ③できるだけ母乳で育てること
③については、したくてもできない方が多くいらっしゃると思います。この3つだけを掲げるのでは苦しむ人がいるのではないかと思ってしまいます。ですので、アメリカの小児科学会から発表されているポイントを追記します。
④温めすぎに注意すること ⑤おしゃぶりを使うことを検討すること(授乳確立後) ⑥親が見ているところでうつ伏せの練習をすること ⑦親と同室かつ別の寝床で寝ること
できることはたくさんあるので、1つにとらわれすぎず、無理のない範囲でできるだけのことをしてみてくださいね。
一人でも多くのお子さんが悲しい事故を免れ、大きく育ってくれることを願っています。
乳幼児睡眠コンサルタント ねんねママ
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