【3歳児健診で指摘された】療育に通った方がいい?個性の範囲と思うんだけど…と思う親に知ってほしいこと
個性を大切にしてもらえない日本
悩んでいます。
保育園から、【集団行動ができない】【お友だちと遊べない】と指摘され、療育機関への相談を提案されました。
家では正直困ることがなかったのでショックです。
3歳児健診でも、なんか急にいろいろ質問されて相談を進められました。
私の育て方が悪かったんですか?
正直、みんなと同じである必要あるのかなと思ってます。
この子は一人遊びが好きなんだし、人と関わるのが好きじゃないっていう個性なんだと思います。
日本って、個性を大切にしてもらえない国ですよね。
保育園にも行政にも、正直不信感しかないです。
うちの子は、園にとって迷惑をかける存在なんですか?
先生は、うちの子のことを迷惑だと思っているんですか?
とりあえず様子をみて、必要だと思ったら療育受けるかもしれません。
今は必要ないと思うので相談は受けたくないです。
…だけど、これって親のエゴなんでしょうか?
子どものためには、受けたほうがいいんですか…?
こんな相談をいただくことがあります。
※ここで扱っている事例は実際の事例をもとに創作したフィクションの事例です
※実際に同様の相談、お悩みをいただくことは山ほどあるので、非現実的な例ではないと考えています
特性は誰にでもある
子どもにはそれぞれ、性格や特性があります。
特性というのは、その子の個性や性質です
例えば
・細かいことがとても気になる
・家庭内ではよくしゃべるのに外では話せない
・目の前のものが気になって、本来すべきことに集中できない
・人前に出ると動けなくなる
・お友だちと遊べない
・文字や言葉だけではしっかり理解できない
こういった特性が、全くない子どもは少ないのではないかと思います。
では、特性はそのままにしておいてよいのか?
これは程度によるところです。
保育園で指摘されるということは、少なくともその保育園の中で、先生の目線からみて
「この子は困っているのではないかな?」
と感じる場面がほかの子と比較して頻繁にあるということです。
子どもが保育園に迷惑をかけているから、とか子どもがいることが迷惑だからという理由ではないと考えます。
そして、発達に課題がある場合、それは育て方というよりは脳のタイプの問題です。
これを親がどう捉えていくかで対応が変わってくると思います。
発達の課題をそのままにしておくリスク
子どもの発達には、適した時期があります。
人間の脳、特に子どもの脳の柔軟性は素晴らしいのですが、発達に適したタイミングを逃すと機能が不完全な状態のままになる恐れがあります。
生活を送っていくうえで【必要ない】とみなされた回路は、脳から切り捨てられてしまうのです。
5歳までに多くのコミュニケーションに必要な回路が構築され、10歳までに培われたコミュニケーション能力がその後の人生の基盤になっていきます。
早期療育が必要だと言われているのはこのためです。
そして、小学生になった途端に療育を行う施設が激減し、療育のチャンスが減ることもこのためなのです。
つまり、個性だと思うから…まだ必要ないと思うから…と様子をみる、ということはこれから獲得できていたかもしれない能力を失うリスクがあるということです。
子どもは残酷、二次障がいに注意
理想は個性を認め合える社会。
それは間違いではないと思います。
しかし、子どもというのは無垢ゆえに残酷です。
・話しかけてもこたえてくれない
・一緒に遊ぼうって誘ってもこない
・みんなが遊んでいる流れをとめてしまう
こういった状況が続いてしまうと、その原因になる子に対して周囲の子どもたちはどんな対応をするでしょうか?
・話しかけてもこたえてくれないから話しかけたくないな
・誘っても遊んでくれないからもう声かけなくていいや
・なんであの子はいつも楽しい遊びをとめちゃうんだろう
こんなふうに、目の前の結果だけをみて仲間はずれのようなかたちになってしまったり、からかいの対象になる恐れがあるのです。
こういった環境によって自己肯定感が低くなったり、コミュニケーションをとるのがイヤになって引きこもったり、うつ病や不安障害といった心の病を発症することを二次障害といいます。
療育は、特性とうまくつきあうやり方を教えてくれる場所
療育というのは、特性とうまくつきあうための練習をしたり、どうすれば子どもの生きづらさが減るのかを一緒に考えてくれる場です。
我が子が保育園から指摘を受けた際や、幼児健診の場でスタッフから指導が入った場合、普段の同じような場面での子どもの対応と今回の前後の状況を確認してみましょう。
なぜなら、普段の状況と前後の状況の違いに特性を読み解くヒントがあるからです。
例:みんなの前にでると緊張してかたまってしまう①
ひとつの事例ですが、ざっくり2パターンで考えてみます
同じような場面の普段の状況確認
・いつも人前に出るとかたまる⇒人前に出ることが苦手な可能性
・普段は大丈夫⇒別の要因がある可能性
例:みんなの前にでると緊張してかたまってしまう②
今回の前後の状況
・いつも通りかたまった⇒人前に出たときにかたまる原因を探す
・普段は大丈夫なのに今回はかたまった⇒今回は普段と何が違うのか理由を探す
同じように見える指摘でも、原因と理由で対応がかわってきます。
特性がわかれば対応策を考えることができます。
得意なことは、なぜ不得意なのか原因や理由を明確にした方が克服しやすいんです。
むしろ、理由がわからないまま放置しておくと、どんどん苦手なことに対するマイナスの意識が膨らんでいきます。
保育園での指摘や幼児健診での気づきは、家庭では気づきにくい特性を把握してより生きやすくなるためのチャンスなのです。
子どもの特性を把握したうえで療育機関に相談し、訓練を重ねることでイキイキと明るくなった親子、できることが増えた、と自信の満ちた表情になった子どもたちの姿を、私は何組もみてきました。
個性かどうかを素人が判断するのは危険。少しでも気になるなら相談を
療育センターにはさまざまなスタッフがいます。
子どもの精神発達の専門家である児童精神科の医師、特別支援に精通した保育士や看護師、子どもの運動機能、言語機能についての伸ばし方の知見があるリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)たち…
これらのスタッフが、通っている子どもに対してどんな支援をおこなえば有効か、知恵を出し合って、工夫して療育を実施していきます。
専門的な知識も、経験も、一般的な親とは段違いなんです。
もちろん我が子について一番知っているのは親でしょう。
しかし、親がすべての場に一緒についていって、子どものために動くことは残念ながら難しいのです。
だからこそ、子ども自身が自分の特性と付き合う方法を身につけてほしい。
それを練習する、身につけるために、療育があります。
悩んで悶々としているママやパパは、ぜひ一度相談してみましょう。
相談して、様子を見ていいといわれたら様子をみればいいのです。
子どものより過ごしやすい未来のために、今の気づきを大切にしてください。
これからも理性的な子どもに育てるための情報を発信していきます。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!