【神戸市】実はこの「火の見やぐら」は大正時代に作られた約110年前のものでした
東灘区青木にある火の見やぐら
火の見やぐらと聞いても知らない世代も増えてきたかもしれません。火の見やぐらとは、木造建築が多い日本では火災が起きると広がる危険度が高いため、江戸時代以降に火災を早期発見する目的でつくられたやぐらのことです。ただ現在は昔の火の見やぐらより高い建物がほとんどで今では実際に使われることは少なくなっているようです。
以前から気になっていた火の見やぐらがありました。それは東灘区青木の八坂神社の裏手に建つ火の見やぐら。見るからに古く、いつ頃からここにあるものなのかと興味が湧きました。
近くでこの火の見やぐらを見ては特に年代を示すものは見当たりません。そこで検索してみると、まさにこの火の見やぐらについて解説されている文献がヒットしました。神戸深江生活文化史料館が発行した会報に記述がありました。それによればこの火の見やぐらは、明確な建設資料はないものの当時を知る住人達の証言や文献の記述などから大正3年頃に建てられたものと推定されるとあります。大正3年は西暦で1914年。ちょうど今年で110年前にあたります。
約110年もの間、この地に建ち続けている火の見やぐら。その間に起こった戦災、水害、大震災などを乗り越えて令和の時代に至っているわけです。それぞれの時代にどんな神戸の空を見つめてきたのか、そんな想像をするとしばしの間この火の見やぐらを眺めてしまいます。
八坂神社
神戸市東灘区青木5
阪神 青木駅 徒歩5分