長時間保育園にいる子は荒れる?11時間保育園で過ごす子のリアルな1日を現役保育士が紹介
共働きの現役保育士です。
長時間を保育園で過ごすことの影響については、様々な議論がありますね。
今回は、筆者の勤務園で過ごす園児を例に長時間保育の子の1日を紹介していきます。
- サラちゃん:0歳児クラス在籍の1歳。毎日朝7時10分登園。降園時間19時。
- リョウ君:5歳児クラス在籍。毎日朝7時ちょうどに登園。降園時間19時40分。土曜保育も利用している。
(いずれも仮名)
長時間保育の園児の過ごし方
7時 登園
保育園の開門と同時にリョウ君が、しばらくするとサラちゃんが登園。他にも数名、開門と同時に登園。
保護者があわただしく仕事に向かい、子どもたちは全クラス合同の保育で過ごす。
おもちゃはブロックなどを出すことが多く、1歳児のサラちゃんは面白くない様子。
このため、保育士が歌や手遊びなどで個別に関わることも多い。
サラちゃんのお家は、テーマパークでのお泊りなど週末はお出かけしていることが多く、月曜日は疲れもあるのかゴロゴロと寝ていることも多い。
リョウ君は他のお友達と共に、お話しながらブロックで遊んでいる。
9時 各クラスに分かれての活動
0歳児クラスでは朝おやつを食べる。
食べ終わった後、エプロンを自分のロッカーにしまいにいくサラちゃん。
自分のロッカーを認識した上で、エプロンを袋に入れるという高度な活動だが、0歳児クラスでできるのはサラちゃんだけである。
サラちゃんは何事にも意欲があるため、保育士がはじめだけ教えれば何でもすぐできる。
5歳のリョウちゃんはお散歩に出かける準備をしている。
先生のお手伝いが大好きで、カーテンの開け閉めや机の移動など自ら先回りして手伝っている。
11時 着替え・給食準備
1歳児のサラちゃんは気が強いのか、お友達のおもちゃを取り上げてしまうことが頻繁にある。
保育士は都度、お友達との間に入り仲裁するが、お友達の物を取ってしまう行動が保育時間の長さと直接関係しているとは考えていない。
5歳のリョウちゃんは、クラスのリーダー的存在でお話も上手なので、発表会でも少し難しい役に抜擢されることが多い。
一方、他のお友達と悪ふざけしてしまうこともある。
サラちゃんもリョウちゃんも好き嫌いが少なく、基本的に何でも良く食べる。
12時 午睡
1歳のサラちゃんは、お家での夜の就寝時間が遅めなためか入眠が早い。
すっきりすると起きておしゃべりなどをしている。
5歳のリョウちゃんは体力があるのか、他のお友達と比較しても入眠が遅いことがある。
16時 合同保育
各クラス単位での活動を終え、合同保育の時間に入る。
1歳児のサラちゃんは、お出かけの翌日や週末は、夕方に入ると眠くなることがある。
5歳のリョウちゃんは、おもちゃで遊ぶよりもお友達とじゃれあって遊んでいる。
18時 補食
17時50分がお迎えのラッシュ。
18時になるとお友達の数が一気に減る。
他にも延長保育のお友達はいるが、サラちゃんとリョウちゃんは年齢は離れているのに、早朝・夕方共に過ごす時間が長いためか、サラちゃんの入園当初から仲良しである。
19時 降園
サラちゃんのママがダッシュで保育園に入ってくる。
本当に仕事が忙しいが、早くサラちゃんに会いたい気持ちが伝わってくる。
19時30分を超えるとリョウちゃん1人となる。
園内で最長保育時間となるリョウちゃんは、事務所や倉庫内の物品の配置に至るまで、保育士並みに保育園の設備のことを良く知っている。
保育園で長時間過ごすことによる影響
毎日保育現場にいる筆者としては、長時間を保育園で過ごすことによる、直接的な子どもへの影響は感じていません。
ただ、就寝時間はどうしても遅くなりがちなのは事実でしょう。
学研教育総合研究所による幼児白書Web版によると、保育園児全体の就寝時間は21時35分です。
さらに、就寝時間を保育園児と幼稚園児とで分けると結果は次のとおりとなっています。
1歳児のサラちゃんの連絡帳によると、毎日の就寝時間の平均は22時です。
20時頃帰宅して、それから夕食やお風呂などを済ませて22時に就寝しているのですから、保護者の方も相当頑張っていますよね。
まとめ
長時間保育の園児のリアルな1日を紹介してきました。
一保育士の正直な見解としては、長時間保育による子ども自身の育ちへの影響は感じていません。
長時間保育による影響を受けるのは、むしろ「家族時間」や「親と子の関係性」の方であると筆者は考えています。
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