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【猫の温活】どんな猫もストーブとホットカーペットが必要なのか

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
nyaoko@naokowatanabe5 より

5日の午後から6日の午前中にかけて、関東甲信は広い範囲で雪が降り、山沿いを中心に大雪となるおそれがあると予測されています。

猫は、犬に比べて寒がりな子が多いです。猫の平均寿命は、約15年です。正しい温活をすると、猫はさらに元気に長生きしてくれる可能性があるので、今日は猫の温活について考えていきましょう。

ホットカーペットからはみ出さないでファンヒーターに集まる猫たち

nyaoko@naokowatanabe5 より

このX(以前のTwitter)を見ると、nyaokoさんの3匹の猫は、全て田んぼやゴミ捨て場から保護した子たちです。

nyaokoさんは、3匹の猫を大切にしています。猫たちは、ある冬の寒い日、ファンヒーターで温まり、なおかつ、下半身はホットカーペットの上に乗っています。

投稿の写真をよく見ると、うまい具合にホットカーペットからはみ出ることなく上に乗って、ファンヒーターにあたって、暖を取っています。そのうえ、背中の丸みがなんともかわいいです。2月2日時点では、2000件以上のいいねと、3.9万件の表示です。

このような投稿を見ると、猫が寒がりなのがわかります。

猫は寒がり?

家猫の祖先はアフリカの北部にいるリビアヤマネコだといわれています。砂漠地帯で生活しているため、寒さには苦手とされています。

猫は寒い時期に、猫風邪を悪化させたり、オシッコが出にくくなる下部尿路疾患になったりして病院やってきます。この冬一番の寒さとニュースで聞くと、来院する猫が増えるのです。

最近は、都会では完全室内飼いでも、少し温度が下がると体調を崩すことがあるので、注意は必要です。

寒がりでない猫

メインクーンのイメージ写真
メインクーンのイメージ写真写真:アフロ

比較的寒さに強い猫は、います。それは、メインクーンやノルウェージャン・フォレスト・キャットなどの長毛の子たちです。

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、ダブルコートといって、2種類の毛がはえているので、空気を含みやすい構造になっています。まるでダウンジャケットを着ているような状態なのです。

多くの猫は、短毛でシングルコートなので、ノルウェージャン・フォレスト・キャットより寒がりになるのです。

どんな猫でも高齢になると寒がりに

長毛の猫は約7歳まで寒さに強いですが、それ以降になると高齢になり寒さに弱くなる子が多いです。

天気予報で、寒波到来といわれていても、私のところの猫は、メインクーンだし大丈夫と思っていても、高齢や基礎疾患があると寒さに弱くなっている可能性がありますので、油断は禁物です。

猫の温活

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

部屋を温める

一番安全なのは、エアコンをつけておくことです。

猫にもよりますが、25度ぐらいにしてあげましょう。エアコン以外には、ホットカーペットやコタツを置けば、その上に乗ったり中にはいったりします。

飼い主が家にいるときは、ファンヒーターでもいいですが、火事などには気をつけてください。

・食事

ドライフードは温めることは難しいですが、ウエットタイプのフードなら湯煎したり、お湯を入れたりするのもいいですね。それと毎回は無理かもしれませんが、飲み水も人肌ぐらいの温度のものをあげていただくと、脱水にはなりにくいです。

・動物病院に連れていくとき

キャリーケースをビニール袋で覆って、その中に小さな湯たんぽを入れて、フリースで猫を包んでくるのもいいです。猫が嫌がらない場合は、小型犬用の服を着せるのもよいアイデアです。

温活の注意点

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

猫は寒がりで、正しい温活をすることを飼い主に知ってもらうことは大切です。ただ、猫の中には、湯たんぽなどで低温やけどをする子がいます。あまり動かなくなった高齢の猫などは、湯たんぽにあたっているときは体勢を変えてあげることも大切です。

それ以外には、ストーブの傍に近寄りすぎて口の周りのヒゲを焼いて短くなったりカールさせてくる子がいます。

愛猫を見ていて、寒がりでストーブの近くばかりいるな、と思ったら、ヒゲが左右対称かどうか見てください(ヒゲは、普通は左右ほぼ同じ長さです)。

室温を上げると、湿度が下がり、猫はあまり水を飲まない(飲みすぎる子は、腎不全や糖尿病などの病気の可能性も)ので、脱水には気をつけてあげてください。

まとめ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

特に去年の冬に病気をした猫は、寒さに弱い可能性があるので、温活をしましょう。カルテを見ると、毎年、2月に下部尿路疾患で来院する猫がいます。

そのような子は、温度管理をして室温を約25度にしておくと、病気になる確率は下がります。

今年は、暖冬といわれていますが、それでも猫の温活をきめ細やかにすることで、猫が健康に過ごすことができます。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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