シリアに駐留する米軍が住民1人を誤って射殺、ロシア軍が米軍パトロール部隊の進行を阻止(映像あり)
米軍部隊が住民1人を誤って射殺
シリア南東部のダイル・ザウル県では、英国で活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、CONOCOガス工場近くで米軍部隊が5月1日、ダイル・ザウル県とラッカ県を結ぶ街道で住民1人に誤って発砲し、殺害した。
殺害されたのはラッカ県の住民。ダイル・ザウル県を移動中に米軍部隊の発砲を受けたという。
遺体はシリア民主軍によって県内のジャディード・バカーラ村の病院に搬送された。
米国は、2019年10月にシリア領内から部隊を撤退させると発表したが、その後、油田地帯を防衛すると主張し、ダイル・ザウル県やハサカ県の油田地帯に違法に駐留を続けている。
ロシア軍がハサカ県で米軍部隊の進行を阻止
ハサカ県では、シリア人権監視団や反体制系サイトのドゥラル・シャーミーヤなどによると、ロシア軍憲兵隊が5月2日、カーミシュリー市郊外の街道に展開し、米軍のパトロール分隊に対峙、進行を阻止した。
米軍は、ハサカ県北東部のカスラク村やハイムー村に違法に基地を設置し、カーミシュリー市近郊でパトロール活動を続けているが、これまでたびたび地元住民の抵抗に遭っている。
ロシア軍と米軍のにらみ合いは数時間続き、最終的には米軍が現場を立ち去ったという。
これに対し、米軍は5月3日、対抗措置として、ロシア軍部隊が展開するタッル・タムル町一帯の上空にヘリコプターを派遣、1時間以上にわたり偵察・監視活動を敢行した。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)