新たな日本茶に出会えるお茶フェス「日本茶コレクション2024」をレポート!
秋は温かいお茶がおいしく感じる季節!
今年は都内でもお茶のイベントが多数開催されていて、秋は特に多いのです。
日本茶に関する情報メディアの「日本茶生活」(過去記事はこちら)が昨年から開催しているお茶フェス「日本茶コレクション」が9月末に開催されると知り、行ってきました!
こちらのイベントは初めてなので、ワクワクしながら向かいました!
「日本茶コレクション」とは
「日本茶コレクション」は日本茶を楽しむ人のためのWEBメディア「日本茶生活」(外部サイト)が手掛ける魅力的な日本茶に出会えるイベントです。
昨年12月に第一回が開催され、9月28日、29日に開催された今回は第二回となります。
全国から選りすぐりの生産者や茶問屋が集まり、日本茶のワークショップや茶道体験も開催され、日本茶を丸ごと楽しめるいイベント。
日本茶を楽しむ要素が集約されているようなイメージです。
イベントを運営する日本茶生活のスタッフは日本茶インストラクターなど日本茶が大好きな日本茶のプロ。
日本茶についての質問も気軽にできる安心感があります。
ただ楽しむだけでなく日本茶について様々なことを知ることができるイベントでは、日本茶に詳しい人も初心者もみんなが楽しめます。
そんな日本茶コレクションに集まるのはどんな人?と観察していると、各ブースを回って試飲をしながら熱心に質問している日本茶マニアらしき人(私もその一人でしたが)、日本茶には詳しくないけれどこれから楽しんでみたい!という日本茶に興味津々の人、そんな人たちで会場は熱気にあふれていました!
「日本茶コレクション」の歩き方
日本茶コレクションのチケットはオンラインで購入するか現地で購入するかのいずれか。
今回はオンラインの前売り券1000円、当日券1300円でした。
受付で8枚つづりのチケットを受け取り、いざ会場へ!
お茶のブースは14店、チョコレート専門店が1店と、各ブースを回って試飲する際にチケットを渡します。
前もって日本茶コレクションのサイト(外部サイト)を見て、気になるお店の情報をチェックすることもできます。
どのお店も実力派ぞろいで、どこから回ろうか悩む悩む。
それくらい魅力的なお店が揃っていました!
時間制限はなく2時間くらい過ごしましたが、全部は回り切れず後ろ髪を引かれながら次の予定へ移動せねばならず・・・。
次回はもっと時間に余裕を持って参加しようと心に決めました。
その他、茶道体験や日本茶ワークショップは事前予約制。
空きがあれば当日にご案内も可能とのことでした。
「日本茶コレクション2024」の魅力
では、ここで私が回ったブースをご紹介します。
どのお店のお茶もおいしくて茶葉も揃えたくなります。
トータルするとかなりの種類の茶葉が並ぶので、オーソドックスなものから希少なものまで、お気に入りを探すことができます。
それぞれのお茶の特徴や淹れ方を、生産や合組(ブレンド)に関わる方から直接教えてもらえるのも嬉しいポイントです。
茨城「石山製茶工場」
茨城県猿島(さしま)で生産から加工、販売まで行う「石山製茶工場」。
明治4年から続く茶農家です。
煎茶から釜炒り茶、和紅茶まで幅広いラインナップで、6代目のご夫婦が自分好みの和紅茶をそれぞれの好みで作っているのが印象的でした。
茶農家の跡を継ぐのはそれなりに勇気がいることだと思います。
「確かにそうではあるけれど、私たちなりの挑戦をしてたくさんの人にお茶を楽しんでほしい」とおっしゃっていました。
この日試飲したのは、「静7132」という品種の茶葉を釜炒り茶に仕上げたもの。
「静7132」という品種はクマリンという桜の葉と同じ香りの成分が含まれていて、桜の香りが楽しめるのですが、こちらの釜炒り茶は桜の香りは奥に秘め、少し冷ますとその香りがしてくるそう。
時間の経過でも特徴が変わるのはとても興味深いです。
石山製茶工場ホームページ(外部サイト)
鹿児島「有村製茶」
こちらも煎茶から和紅茶、烏龍茶まで生産から加工、販売まで行っています。
新たな形の品評会「日本茶AWARD2024」では烏龍茶部門と有機煎茶部門でプラチナ賞を受賞されています!
紅茶のコンテストでも賞を受賞されていて、全ての茶種がハイクオリティ。
霧島連山の麓で栽培される茶葉を使って、煎茶、和紅茶、萎凋(いちょう)茶といろいろな種類のお茶を生産しているとのこと。
こちらでは品種「みなみさやか」の烏龍茶を試飲しました。
こちらはフラワリーで華やかな香りの優しい印象の烏龍茶で、飽きの来ない味わい。
「みなみさやか」という品種は香りに特徴がある希少な品種。
紅茶では見かけることがありましたが、烏龍茶は珍しく、新たな世界を楽しめました。
有村製茶ホームページ(外部サイト)
大阪「茶通仙 多田製茶」
日本茶インストラクターでもある茶師の多田さんが独自のイメージや観点でセレクトし合組(ブレンド)するオリジナリティあふれる茶葉が揃います。
好みの味や香りを伝えると、たくさんの茶葉の中からおすすめを提案してくれます。
店主とのそんな会話も楽しい時間です。
たくさんある中からどれがいいか選ぶのにも役立つ各茶葉の特徴を表したチャート。
視覚的にわかりやすくて良いですね!
今回は華やかな香りで甘味のある「花香ル煎茶」を試飲してみました。
お茶の奥に感じるトロピカル香りに癒されます。
茶通仙 多田製茶ホームページ(外部サイト)
神奈川「高梨茶園」
神奈川県秦野市の高梨茶園は県内でも有名な茶園。
都内の日本茶カフェなどでも茶葉が使用されていたりと、知る人ぞ知る存在です。
「おくみどり」など品種茶もあり、萎凋(いちょう)茶や和紅茶とどれも飲んでみたくなります。
8月の台風では斜面を縦断するように茶畑の上から土砂崩れが起こり、高梨さんの茶園が大きな被害を受けたのを神奈川新聞で知り心配していました。
茶園の復旧にはまだ時間がかかるそうですが、やれることをやって今後も頑張りたいとのこと。
今回は昨年の紅茶のコンテストの受賞茶もありました。
その時々の茶葉の状態を見て、これなら発酵はこのくらいにしよう、こういう加工にしよう、とイメージしながら作っているそうです。
その時にしかない少量かつ希少な茶葉もあるそうですよ。
高梨茶園ホームページ(外部サイト)
東京「MYE blend tea atelier」
豪徳寺で合組(ブレンド)ワークショップをされている体験型のお店。
ワークショップでは自分好みの味のオリジナルブレンドが作れるそう。
店舗やオンラインショップで扱うブレンドされた茶葉はそのイメージに合うタイトルが付けられています。
癒し系の「Lamp」は深蒸し煎茶。
甘味とコクのある味わいです。
お洒落なパッケージには茶葉の内容や淹れ方も書いてあります。
お店でのワークショップも気になります。
MYE blend tea atelierホームページ(外部サイト)
静岡「チョコレート専門店 Conche」
静岡産のお茶や食材を使ったチョコや焼菓子で有名で、以前から気になっていたお店です。
静岡の店舗とオンラインショップで販売していて、時々ポップアップで都内他にも出店しているそう。
中でも、さくらえびと醤油の入ったチョコは衝撃的!
試食させていただきましたが、あれ?意外とおいしい?という、甘いけれどビールなどにも合いそうな風味のチョコレートでした。
とても人気なのだそうですよ。
日本茶のイベントということで、この日は特別に静岡茶を使ったタブレットチョコのお試しサイズの販売もありました。
クラフトチョコレート専門店 Conche(外部サイト)
長崎「茶友」
こちらは「日本茶AWARD」の受賞常連さんです。
今年の日本茶AWARD2024でも「蒸し製玉緑茶」部門でトップのプラチナ賞を受賞されています。
蒸し製玉緑茶の他にもいろいろ作っていらっしゃるのを初めて知りました。
試飲のコーナーでは飲んだことのない抹茶があり気になってこちらをお願いしました。
「炒り蒸し製法」の抹茶は初めて。
すっきりしてやや香ばしさのあるお味です。
茶友ホームページ(外部サイト)
宮崎「谷岩茶舗」
こちらも「日本茶AWARD」受賞の常連さん。
今年の日本茶AWARD2024でも「釜炒り茶」部門で3年連続で最高のプラチナ賞を受賞されています。
宮崎県は全国4位の茶葉の生産地。
深蒸し煎茶、茎茶、普通煎茶、釜炒り茶と並んでいますが、やはりイチオシは宮崎県高千穂産の釜炒り茶「朝霧しずく」です。
すっきりと香ばしく飲み飽きない味で、秋冬に特におすすめのテイストです。
谷岩茶舗の谷岩さんは、市場で選んだ茶葉を合組(ブレンド)し火入れをして仕上げています。
求めやすい価格帯のものも多く、どの茶葉もそれぞれの特徴が生かされていておいしいです。
高千穂の釜炒り茶についての過去記事では取材にご協力いただきました。
谷岩茶舗ホームページ(外部サイト)
佐賀「嬉野南部釜炒茶業組合」
佐賀県の嬉野も「釜炒り茶」の産地です。
全国的に見ても希少な釜炒り茶も品種別に作られていたりと、マニアックなお茶の飲み比べも楽しめそうなラインナップ。
水出し専用の釜炒り茶があると聞いて試してみました。
水出しの釜炒り茶はすっきりと美味しくて、秋でも日中は暑い日などは何杯も飲みたくなる味。
茶葉の香りを試させていただきましたが、釜炒り烏龍茶の香りがとても良くて癒されました!
嬉野南部釜炒茶業組合ホームページ(外部サイト)
他にも魅力的なブースが!
この日、時間切れで伺えなかったブースのサイトをご紹介します。
埼玉「心向樹」(外部サイト)
品種茶を購入するならこちら。
多種多様な品種の茶葉が少量から購入できます。
茶葉はもちろん苗木の販売もあり、この日もマニアックな品種の苗木を吟味する方々が。
ちなみに、我が家のベランダ栽培の茶の木(品種は「サンルージュ」)は心向樹さんの苗木から育てています。
日本茶AWARD受賞の常連さんでもあります。
東京「お茶とのり清風園」(外部サイト)
杉並区西荻窪にある実力派の街のお茶屋さん。
品種茶から福岡の八女茶、普段使いのお茶まで沢山の種類が揃います。
今はこちらのような茶器や茶葉の相談ができるお茶屋さんが減ってきているので、貴重な存在です。
東京「茶舗 大坂や」(外部サイト)
目黒区八雲にある、静岡・鹿児島・福岡・三重の茶葉を扱う専門店。
和紅茶や抹茶、急須などの茶器と茶道具も揃うお店です。
茶師七段に昇格された店主の三室さんの目利きと仕上げ技術に注目のお店です。
東京「丸山園」(外部サイト)
日本茶AWARD受賞の常連さん。
創業96年、関東に21店舗出店する日本茶専門店で、様々な産地の茶葉や茶器などが揃います。
駅ビルや商業施設に入っており、私もカフェや茶葉購入で利用したことがあります。
東京「茶雑貨」(外部サイト)
品川区戸越銀座にある「お茶と、茶器などの雑貨と、お菓子」のお店。
日本茶を中心とした日本の伝統食品の包装資材やパッケージの製造・販売を手掛ける株式会社吉村が2022年11月にオープンし、若い方や初心者の方向けのドリンクの提案やお茶の楽しさを紹介するワークショップが人気です。
過去記事でもご紹介しています。
静岡「日本茶茶茶」(外部サイト)
静岡県富士市の茶農家4人が集まり、こだわりが詰まったほうじ茶をつくる「ほうじ茶専門店」。
厳選した茶葉とこだわりの焙煎方法で、今までにない香りを追求した最高級ほうじ茶「凛茶」が目玉商品とのこと。
ほうじ茶もとても人気があるので気になります。
愛知「いさし園」(外部サイト)
愛知県豊川市の茶問屋さん。
静岡産の茶葉などを仕入れ、仕上げているそう。
茨城県産の大麦を自家焙煎した麦茶も人気で、こちらのカフェ「1_34cafe」の名物ドリンクの「麦茶ラテ」が家庭でも味わえる麦茶ラテシロップがこの日は目を引いていました。
愛知「西条園」(外部サイト)
1888年創業の株式会社あいやが展開する抹茶を使ったスイーツや和菓子をはじめ、「西尾の抹茶」やオーガニック抹茶など、さまざまな抹茶の楽しみ方を提案しているお店。
愛知県の日本茶インストラクターさんからこちらのカフェが有名だと以前伺ったことがあります。
オンラインショップもあるそうです。
今回伺えなかったブースのお店にもいつか伺えたらと思います。
他にも、茶道体験や日本茶ワークショップなども開催され、お茶好きの参加者で賑わっていました。
「日本茶生活」主催の今後のイベント
日本茶生活主催の今後のイベントは、11月と12月にも開催されるそうです。
「詳細はまだ公開されていませんが、今後も日本茶生活のホームページでチェックしていただけたら」と代表の三浦さんから伺いました。
日本茶マニアの私でも今回初めて知るお店がいくつかあり、まだまだ日本茶は奥が深く魅力がたくさんあると感じました!
秋も冬も日本茶のイベントは目白押しです。
新たな日本茶に出会える機会、新たな日本茶の世界を楽しんでみませんか?
こちらの情報をチェック→ 日本茶生活ホームページ(外部サイト)