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年末は寒さ・大雪に一層の注意を

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
豊後水道や濃尾平野を風が吹き抜け、太平洋側にも雪雲が(ウェザーマップ作成)

 この一週間、強い寒気と暖かい日本海の影響で、日本海側では極端な雪の降り方となった。クリスマスにかけて寒気はいったん弱まるが、その後は再び、勢いを増す予想だ。年末は寒さと大雪に一層の注意を。

夏日から大雪に 極端すぎる天候

 今朝(20日)は東京都心で氷点下0.6度まで下がり、この冬二度目の冬日となりました。また、北海道の喜茂別町ではこの冬全国最低となる氷点下25.7度を記録しています。そういえば、ちょうど1か月前(11月20日)は金沢で最高気温26.6度を記録するなど、晩秋とは思えない汗ばむ陽気でした。

日本海側の積雪はこの一週間で急激に増えた(解析積雪深、ウェザーマップ作成)
日本海側の積雪はこの一週間で急激に増えた(解析積雪深、ウェザーマップ作成)

 天気は行きつ戻りつ、進んでいくのが常ですが、最近はのろのろしてみたり、急にスピードを上げてみたり、極端すぎるように感じています。

日本海の水温は下がったが

 11月まで暖かかった影響で、日本近海の海面水温は平年を大幅に上回りました。こちらは日本海の海面水温を、大雪になる前と後で比較した図です。水温が平年より高い所を暖色で、水温が平年より低い所を寒色で示しています。

日本海の海面水温、平年と比較した図(左図は12月12日、右図は12月19日:気象庁ホームページより)
日本海の海面水温、平年と比較した図(左図は12月12日、右図は12月19日:気象庁ホームページより)

 大雪が始まる前は平年より2度以上高い所が広範囲に見られましたが、雪雲に覆われたことで水温が下がった様子がわかります。しかし、依然として日本海の水温は高く、いつもよりも雪が強まりやすいことに変わりはないようです。

今後の寒さ、大雪の見通し

 石川・輪島上空約1,500メートルの気温は25日頃にかけて、高くなる予想です。寒さや雪の降り方も、今週は和らぐでしょう。

石川・輪島上空約1,500メートルの気温予想図(GSMアンサンブル予報、ウェザーマップ作成)
石川・輪島上空約1,500メートルの気温予想図(GSMアンサンブル予報、ウェザーマップ作成)

 その後は予想にばらつきが目立ちますが、28日頃までは強い寒気はなさそうです。しかし、29日以降、気温が著しく低下する予想が大半を占め、再び強い寒気の影響を受ける可能性が高いです。

【参考資料】

気象庁:2週間気温予報解説資料、2020年12月20日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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