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典型的な梅雨の大雨、でも関東甲信などの梅雨入りは見送りに

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
関東で雨がピークに(ウェザーマップ)

典型的な梅雨の大雨だが、梅雨入り発表は見送り

雲天気図(ウェザーマップ)
雲天気図(ウェザーマップ)

きょう18日(火)は、梅雨前線が本州南岸へ北上し、前線上の低気圧も進んでいる影響で、太平洋側では激しい雨が降っています。九州南部や四国で予想されたような線状降水帯は発生しませんでしたが、それでも静岡や高知、鹿児島などでは24時間雨量が200ミリ以上に達する大雨となりました

今回の大雨は、梅雨前線による大雨で、典型的な梅雨の大雨ともいえますが、それでも平年より大幅に遅れている関東甲信から中国地方にかけての梅雨入りの発表は見送りとなりました。それはあす19日(水)からあさって20日(木)にかけて、再び梅雨前線が南下し、本州付近が晴れて暑くなるためですが、梅雨でも晴れる日はもちろんありますので、今回の雨で梅雨入りの判断をしてもよかったのかとも思っています。ただ気象庁の見解としては、まだ梅雨入りではないという判断に至ったようです。

梅雨入りの発表が見送られましたので、関東甲信から中国地方にかけては、さらに遅い梅雨入りとなり、記録的に遅い梅雨入りが確定的になってきました。では、今後の梅雨入りの見通しをみてみましょう。(今発表される梅雨入りは速報値で、9月に確定値が発表されます。

週末に再び梅雨前線が北上へ

太平洋高気圧や梅雨前線(ウェザーマップ)
太平洋高気圧や梅雨前線(ウェザーマップ)

上図左のように、きょう18日(火)は梅雨前線の雨雲が本州付近へ北上していますが、あす19日(水)からあさって20日(木)にかけては、日本の南へ南下し、本州付近は広く晴れて、30度以上の真夏日となるでしょう。35度以上の猛暑日となる所もありそうです。

梅雨前線はあさって20日(木)夜以降、再び西から北上しつつ、雨雲が西日本へ進入し、22日(土)から23日(日)にかけては、本州付近で停滞するような予想となっています。ですから、この週末までに梅雨入りの発表があるのは、ほぼ間違いない状況となっています。

関東甲信は、過去最も遅い梅雨入りの可能性も

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

あす19日(水)からあさって20日(木)にかけて、晴れマークがズラリと並んでいて、強烈な日差しの下、各地で暑くなるでしょう。ところが21日(金)頃からは一転、傘マークがズラリと並んでいて、週末までには関東甲信以西で、一斉に梅雨入りとなりそうです。北陸から東北にかけても梅雨入りとなる可能性があるかと思われます。

一方、沖縄では勢力が強まる太平洋高気圧に覆われて、あさって20日(木)から21日(金)にかけて、梅雨入りの発表があるでしょう。沖縄の梅雨明け平年日は6月21日ごろですから、ほぼ平年並みの梅雨明けとなりそうです。

各地方の遅い梅雨入り記録を調べると以下の通りとなっています。

関東甲信地方

1位 6月22日(1967年、2007年)

3位 6月19日(1960年)

東海地方

1位 6月28日(1951年)

2位 6月25日(1958年)

3位 6月22日(1967年)

近畿地方

1位 6月27日(2019年)

2位 6月25日(1958年)

3位 6月21日(1967年)

中国地方

1位 6月26日(2019年)

2位 6月24日(1968年)

3位 6月21日(1967年)

関東甲信の最も遅い梅雨入り記録は、1967年と2007年の6月22日ですから、もし週末の22日(土)まで発表がずれ込めば、統計史上最も遅い梅雨入りに並ぶことになり、東海、近畿、中国地方も、過去3番目程度の遅い梅雨入りが予想されます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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