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デビューから9連勝中のキューバ人ファイター

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Joseph Correa/Premier Boxing Champions

 24歳のキューバ人ファイター、ヨエニス・テレスが、デビュー以来9連勝を飾った。対戦相手は33歳のベネズエラ人、ジョハン・ゴンザレス。35勝(34KO)3敗という戦績だったが、今年5月にもTKO負けを喫しており、峠を越えた感は否めなかった。

 24歳のテレスは現在、テキサス州スタッフォードでロニー・シールズの指導を受けている。ゴンザレスのコーナーにも、同じようにキューバから亡命したイスマエル・サラスがいた。

Joseph Correa/Premier Boxing Champions
Joseph Correa/Premier Boxing Champions

 6ラウンドに1度、7ラウンドに2度ゴンザレスを倒してKO勝ちしたテレスは、試合後に言った。

 「サラスという素晴らしいトレーナーが付いており、かつ経験豊富なファイターとの対戦だったので、簡単ではないと理解していました。勝つために、自分のコーナーの指示に従っただけです。

 私が持つ最大の武器は、世界チャンピオンになるという意志と、祖国を誇りに思う気持ちです。故郷を離れて以来、私はキューバのために勝ちたいと思っていました。私は戦うためにアメリカにいます。大きなチャンスと、素晴らしい対戦相手を見つけるのはチームに任せていますが、誰とでも戦いますよ」

Joseph Correa/Premier Boxing Champions
Joseph Correa/Premier Boxing Champions

 一方のゴンザレスは、次のように振り返った。

 「サラスの指示をきちんと実行できず、負けてしまった。テレスは良いファイターであり、将来有望だ。より規律正しく、ボクシングに向かっていれば、もっと良いパフォーマンスができたんじゃないかな…」

 テレスは昨年、世界中のボクシングが注目したWBA/WBC/IBF/WBO統一ウエルター級タイトルマッチ、テレンス・クロフォードvs.エロール・スペンス・ジュニア戦の前座にも出場し、3回KO勝ちを収めている。

Joseph Correa/Premier Boxing Champions
Joseph Correa/Premier Boxing Champions

 その試合に向けたキャンプではシールズの助言を守り、徹底的に右を磨き、練習の成果をTモバイルアリーナで遺憾なく発揮した。

 同ファイト後は「フィニッシュは、私たちキューバ人が持つ暗殺者の本能でした。相手のダメージを見て、もう終わりだと分かりました。だから、仕留めました」とコメントしている。

Joseph Correa/Premier Boxing Champions
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 ボクシングで成功すると決めて海を渡ったテレスは、連勝記録をどこまで伸ばせるか?

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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