Yahoo!ニュース

長生きの秘訣:ソーシャル・サポートの心理学:孤食は早死に?

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真:アフロ)

■“同居で孤食”の男性 死亡リスク 1.5倍

先日の報道によると、家族同居なのに1人で食事をする高齢男性の死亡リスクは、家族と食事をする男性の1.5倍に上るということでした。一人暮らしの高齢男性の場合は、1.2倍でした。

つまり、最初から一人よりも、家族と一緒なのに一人で食事をする人の方が、死亡率が高かったわけです。

「孤独感」は、一人でいることから生まれるのではなく、周囲から孤立していると感じるところから生まれます。だから、三木清の名言にあるように「孤独は山になく、街にある」わけです。

そうすると、苦しく辛い「孤食」は、一人暮らしよりも家族同居家庭の中にこそあることになるのでしょう。

一人の食事を苦にしない人もいます(そういう場合も栄養の偏りなどがでやすいですが)。しかし激しい孤独感を感じる人もいます。孤独感は、不安を生みます。孤独感を何とかしようともがいてもどうにもならないと、さらに不安は高まります。

孤独と不安が高まると、周囲がみんな敵に思えてきます。そうなれば、本来は得られるはずの様々な援助、「ソーシャル・サポート」さえ受けられなくなります。

不安は心身の健康を蝕み、さらにソーシャル・サポートがないと感じることが健康を害することが、心理学の研究からわかっています。

■ソーシャルサポートとは

この記事は有料です。
心理学であなたをアシスト!:人間関係がもっと良くなるすてきな方法のバックナンバーをお申し込みください。

心理学であなたをアシスト!:人間関係がもっと良くなるすてきな方法のバックナンバー 2017年3月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

碓井真史の最近の記事