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【台風10号】揺れる予報円…いつ備えるべき?27日~奄美九州接近、本州付近も大雨続く:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
27日9時の予想天気図(気象庁HPより)。奄美には台風、北海道には前線が接近。

台風10号は今日27日~28日(水)にかけて奄美~九州南部付近を通過し、その後29日(木)~30日(金)には九州に上陸する可能性が高くなっています。
さらにその後、本州付近のほかの地域にも接近し、時間をかけて列島を縦断するおそれもあります(予想進路は本記事の中ほどに掲載)。

これまでたびたび予報円が大きく変わり(進路が変わった理由については1つ前の記事を参照)、さらに今後も変わる可能性がある中、何を基準にどのタイミングで備えればよいのでしょうか。

27日は東海で線状降水帯、奄美・九州南部は暴風も

27日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
27日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

27日は台風が接近する奄美~九州南部で非常に激しい雨や猛烈な暴風、猛烈なしけが予想されているほか、台風の反時計回りの風が吹きつける四国~関東でも警報級の大雨になりそうです。
特に東海4県に関しては午前中に線状降水帯が発生するおそれがあると発表されています。
また前線が接近する北海道東北北部でも滝のような非常に激しい雨が降り大雨になる見通しです。

上記リンクはそれぞれ気象庁が予想降水量などを出しているページに飛ぶようになっているので、自分の地域の情報を確認してください。

バラける予報、「転向点」で再び変わる可能性も

台風10号の予報円(気象庁HPより)。
台風10号の予報円(気象庁HPより)。

台風10号は27日9時に台風としては上から2番目の「非常に強い」勢力となり、19の時点で奄美地方の一部を暴風域に巻き込みながら、ゆっくりと北西へ進んでいます。

このさき28日(水)も奄美~九州南部のあたりをじわじわと進み、29日(木)または30日(金)以降に九州には上陸、さらに本州のほかの地域にも接近するおそれがあります。

今のところ各地で予想されている雨の量は、24時間あたりだと最大で500ミリ、また3日間で1000ミリを超える数字が出ているところも。
雨に慣れている地域でも土砂災害や川の氾濫を引き起こすような雨の量です。

予想降水量(気象庁HPを元に作成)。
予想降水量(気象庁HPを元に作成)。

なお、29日(木)頃に進路が東向きへ変わる(専門用語で「転向する」)見通しで、この「転向」のタイミングで再び進行方向や速度・強さなどが変わる可能性があります。

そのため30日(金)以降の予報円がかなり大きく、円の北側を通れば日本海側、南側を通れば太平洋側を進むことになります。
やや専門的な話ですが、気象庁が発表する予報円は日本だけでなく海外の複数のモデルも考慮して描かれていて、実は太平洋コースを予想しているモデルは少数派なのですが、現時点の九州接近コースも先週金曜日の時点では超少数派だったので、確率が低いとは言い切れません。

備えのタイミングは?…大雨はすでに警戒期間中、今後は暴風にも警戒を

この記事の前半で書いたように、今日27日の時点で、雨についてはすでにほぼ全国で警報レベル、風についても九州南部と奄美ではやはり警報レベルです。

しかも下図の通り、28日(水)も引き続き雨は全国で警報レベル、そこへ中国・四国地方では暴風が加わります。

大雨・暴風の「警報級」の可能性(気象庁HPを元に作成)。
大雨・暴風の「警報級」の可能性(気象庁HPを元に作成)。

このように、段階的に状況は悪くなっていきます。
すでに風が警報レベルに達してしまっている地域では、外に出て行う台風対策ができないため、家の中でできる停電対策などを進めてください(停電対策に関する参考記事)。

また、まだ風が警報レベルに達していない地域では、雨雲レーダーを確認しながら買い物など備えを進めましょう(備蓄に関する参考記事)。

予定を柔軟に考えることも「防災」

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

本記事の進路図の解説でも書いたように、このさきまだ予報円が変わってくる可能性がある中、仕事や移動の日程を今の段階で完全に決めるのが難しいケースがあります。

少なくとも8月いっぱいは台風の影響を受ける地域があると考えられるため、できる限り予定を変えやすい状態にしておくのも「防災」です。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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