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【台風・地震対策】「後悔しない備蓄」とは?防災士が指摘する「やりがちなNG3つ」と今すぐやるべきこと

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

夏の終わりから秋にかけては例年、台風の発生も上陸も最多を迎えるシーズン。
台風や地震に備えて、水や食料などを揃えようとしている人も多いタイミングかと思いますが、その備蓄、ちょっと待って。
もしかしたら「やってしまいがいなNG」が含まれているかもしれません。

防災士・気象予報士でもある筆者が、後悔しないために今すぐできる備蓄ポイントと合わせて解説します。

(※台風10号の進路予報などに関しては筆者の最新の記事を参照してください。)

【NG1】食べたことない「非常食」

災害に備えて食料を用意するとき、今まで食べたことのない、いわゆる典型的な「非常食」ばかり買う人がいます。が、できればこれは避けたいところ。
災害時、ストレスのかかる状況下で、おいしいかどうかわからない初めてのものを食べるのはかなりの負担です。

普段から自分がおいしいと思えるもののうち、常温で保存できるものを多めに買っておきましょう。
特に以下のものは、災害時に不足しがちなタンパク質やビタミン、ミネラルが含まれるものが多いのでおすすめです。

常温で保存して常温で食べられる食品の例
・レトルトカレー(非常時は温めなくても可)
・魚肉ソーセージ
・焼き鳥の缶詰
・焼き海苔、塩昆布、ふりかけ(アルファ米を食べ慣れていない人も食べやすくなります)
・大豆バー、プロテインバー
・お菓子(ストレス対策にお気に入りのもの)

【NG2】飲み物がすべて「水」

災害時、最低でも1人1日3リットルの水分が必要ですが、このうち飲用分は純粋な水だけである必要がありません。
むしろ、お茶や野菜ジュースなど好みで複数の味を用意しておくのがおすすめです。

なお、水と違って開封後は常温で日持ちしないものが多いので、野菜ジュースなどは200mlの小さい紙パックを選びましょう。

備蓄におすすめの飲み物
・水(水道水のくみ置きも可、直射日光を避けて常温3日)
・麦茶(熱中症対策にも)
・野菜ジュース(食物繊維・ビタミン補給に)
・豆乳飲料(タンパク質など様々な栄養補給に)
・ロングライフ牛乳(カルシウムやビタミン補給に)
・ココア飲料(リラックス効果あり)
※野菜ジュース~ココアについては「飲みきりサイズ」で!

【NG3】備蓄品が廊下に

台風や地震にしっかり備えようと思うと、家族の人数がそこまで多くなくても、実際かなりの量の備蓄品が必要になります。
それらをすべてまとめてしまっておくスペースがない家が多いため、段ボールに入れて廊下に置いてある例もあるのですが、これはNG。

災害時、避難経路である廊下に物があるのは危険ですし、そもそも「まとめてしまっておく」のもNGなのです。

備蓄品の収納のコツ
・複数の場所に分けて保存(キッチン、リビング、寝室など)
・ローリングストック(備蓄品を使いながら買い足す)ができるよう一部は取り出しやすい場所に
・大きなものばかり備蓄しない(例:水は2Lペットボトルだけでなく500mlも合わせて)
・家族全員が場所を知っておく(災害時、誰か一人だけ家に残っているかも…)

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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