【夏休み】猫博士になれる? 特別展「ネコ」~にゃんと!クールなハンターたち~
子どもたちの夏休みが始まります。
どこに連れて行こうかと悩んでいる人もいるかもしれませんね。
2024年7月13日から大阪市の長居公園にある大阪市立自然史博物館で、特別展「ネコ」~にゃんと!クールなハンターたち~が開催されています。
子どもだけではなく、ネコ好きの人にも必見の展覧会です。
地球上には完全に肉食に特化した“究極のハンター”ネコ科が、現在、41種います。ネコ科の全種が今回の展覧会に揃っています(2024年にジャガーネコの中で標高の高いところにいるクラウドジャガーネコの新種が発見されて、41種になりました)。
今回の展覧会ではカッコいい野生ネコ科もいますが、筆者は今回、身近なイエネコについて紹介します。この特別展「ネコ」を楽しむためには、予習をしていくことがおすすめです。
イエネコの生態
大阪市立自然史博物館 特別展講演会「ネコ科動物の柔軟な生き方~所変わればネコ変わる」
予備知識がなく特別展「ネコ」を見るより、上記の動画を見ることをおすすめします。演者の伊澤雅子さんは、以前、2月22日は‟猫の日”【ノラネコの行動学】どこで食べて、どれくらい眠るのか知っていますか?という記事で紹介しました『ノラネコの研究』の著者あり、ネコの研究者です。
特別展「ネコ」の会場に入るとたくさんのポスターで解説をしています。そのポスターの縁取りがピンクのもの(上の写真の左のポスター)がイエネコです(青い縁取りのものは野生ネコ科)。会場の中に大きな模型のイエネコがいます。
ピンクの縁取りのものを読んでいくとイエネコの秘密を知ることができますが、中でも興味深いものを説明します。
ネコの爪は犬と違いハンター用に
ネコは爪とぎをする動物です(高齢になると爪どきをしなくなり、しばしば爪のトラブルがあります)。それは爪を鋭利にして獲物を捕まえるためです(イヌは爪とぎをしません)。
イヌの爪は出し入れができませんが、ネコは自分の意志で爪の出し入れができます。ネコは歩くときに爪を収納できるので、歩いてもイヌのようにフローリングにコツコツと爪の音がしません(上の写真のボタンを押すと爪が動きます)。その理由は以下の通りです。
・ネコは獲物に忍びよるときに、音がすると逃げられるので爪を収納します。
・ネコの肉球はぷよぷよしているのでジャンプしたとき、着地の衝撃を緩和するためです。
イエネコは液体?
ネコが金魚鉢や箱などの入れ物に入るなどの様子がSNSに投稿されています。そのため、ネコは液体ともいわれています。
ネコはイヌより肩や腕の可動域が広く関節が柔らかいのです。そのためネコは獲物に抱きつき押さえ込むことができるので、そのような関節になっています。
イエネコのシッポ
シッポが短いことで有名なのはジャパニーズボブテールです。日本のネコのシッポは比較的短いといわれています。これは、江戸時代の人々が小型のネコを好んでいたためです。そして、長崎のネコには「尾曲がり」と呼ばれる、シッポが曲がったネコが多いといわれています。
尾曲がりや短いシッポは遺伝的に決まっており、生まれてから曲がったり切れたりしたものではありません。
イエネコの柔軟な暮らし方
基本的にネコ科の動物は単独性です(ライオンやチーターは群れで暮らしますがこれは例外)。
イエネコの祖先といわれているリビアヤマネコも単独性です。しかし、イエネコは人間と暮らすようになり、さまざまな環境で暮らすようになりました。それぞれ、環境によって生活形態が変わるのです。
・漁村
漁村ではと多くの魚をさばいていて、魚が落ちているので多くのネコが暮らすことができます。ひとつの場所に餌が多くある場合は、ネコがひとり占めしなくても生きていけるので、餌場を中心に行動圏が重なっています。ライオンのような群れで生活するようになるのです。
・住宅街
以前は外にゴミ箱を置いているところが多かったので、そこにネコが住みついていました。ゴミ箱を中心に小さい行動圏を持ち、他のネコと接しないようにしていました。
・里山
野生動物を食べて生活をしています。獲物をハンティングする必要があるので、広い行動圏が必要です。そして、お互いに重ならないようにしていました。
イエネコの母ネコと父ネコから子ネコの毛色を考える
イエネコには、白、ブチ、黒、キジ、三毛などさまざまなものがあります。同腹のきょうだいでも同じ模様でないときもあります。
以下の母ネコと父ネコだと、どのような毛色の子ネコが生まれるかの模式図が展示してあります。
今回は母ネコと父ネコから子ネコの毛色を考えましょう。
質問1
母ネコ(茶ブチ)×父ネコ(茶ブチ)の子ネコの毛色は?
答えは下に
質問2
母ネコ(黒三毛)×父ネコ(黒)の子ネコの毛色は?
答えは下に
質問3
母ネコ(茶ブチ)×父ネコ(黒)の子ネコの毛色は?
答えは下に
体験展示
今回の特別展「ネコ」では、視覚だけではなく、嗅覚、聴覚、触覚に訴える展示があります。
・嗅覚
イリオモテヤマネコのマーキングのニオイをかぐことができます。
上の写真で下のオレンジの部分がスライド式になっているので、上にあげるとかぐことができます。
・聴覚
子猫が母猫を呼ぶ声が録音されおり、その声や映像が流れています。
・触覚
イリオモテヤマネコとツシマヤマネコの毛に触れることができます。
イリオモテヤマネコは亜熱帯地域に暮らしており、ずっと暑いので毛替わりはありません。しかしツシマヤマネコは温帯に暮らしており、毛替わりをします。そのため、ツシマヤマネコは夏毛と冬毛があります。
大阪市立自然史博物館ミュージアムショップにてネコのグッズ販売
ネコ好きな人にとって博物館などに行く楽しみのひとつが、猫グッズを購入できることです。
大阪市立自然史博物館には1階と2階にミュージアムショップがあり、そこには猫のクリアファイル、Tシャツ、絵葉書、猫の関連書籍などがあります。人気イラストレーター・松尾ミユキさんデザインの展覧会オリジナルグッズもあり、ツシマヤマネコのグッズもありました。
入場料より散財してしまうかもです。
まとめ
珍しい展示品がところ狭しと並べられているので、時間を見つけて行ってみてください。予習してからがいいです。
会場:大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
会期:2024年7月13日(土)~9月23日(月・祝)
休館日:月曜日(7月15日、8月5日・12日、9月16日・23日は開館)、7月16日(火)、9月17日(火)
開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
入場料:一般1800円/高大生1500円/小中生700円/ペアチケット3000円
アクセス:Osaka Metro御堂筋線「長居」駅3号出口・東へ約800m、JR阪和線「長居」駅東出口・東へ約1km
詳細は、公式サイト https://www.ktv.jp/event/nekoten/ へ
ライオンやマヌルネコなどのクールでカッコいい野生ネコ科から身近で愛しいイエネコまで、最新の研究に基づいてネコ科がもつ魅力に科学で迫ります。
質問の答え
質問1
子ネコの毛色 茶ブチと茶
質問2
子ネコの毛色 黒と黒ブチ
質問3
子ネコの毛色 黒ニ毛と茶ブチ