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美味しい・ヘルシー・エコの三拍子!「焼きあづき」は京都・亀屋良長さんの体に優しい和のクッキー

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

和菓子屋さんに欠かせない食材のひとつ、「小豆」。ふっくらとした蜜煮からしっとりとしたあんこまで、変幻自在ともいえる食材なのですが、その皮を召し上がったことはありますか?

創業1802年、京都にお店を構える和菓子屋「亀屋良長」さん。思わず肩の力がストンと抜けるような、それでいてうっとりとしてしまうような色合いの上生菓子や餡玉のほか、スライス羊羹など長く愛されてきた味わいを令和の時代に寄り添った形で提案なさる感性と体への思いやりが感じられるお菓子が揃うお店です。

焼きあづき
焼きあづき

所謂老舗に伝わる伝統や紡がれてきたレシピだけではなく、「日本の美しさや美味しさ」そのものを多世代に提供していらっしゃる亀屋良長さんには、なんと小豆ではなく小豆の皮を使用した焼き菓子があるのです。今回はその「焼きあづき」をご紹介。

一目見ただけで小豆だと伝わるパッケージは、こちらも京都発のブランド「SOU・SOU」さんデザイン。角の無いまるみを帯びた字体は思わず大切な人へプレゼントしたくなってしまうほど。

中に個包装の焼きあづきが8個入っています
中に個包装の焼きあづきが8個入っています

小豆の色味が違うんです
小豆の色味が違うんです

やや大ぶりなクッキーのような外観は、粉糖を纏ったフランス菓子のスノーボールクッキーを彷彿とさせます。とはいえ、ちょっぴりひび割れたえくぼが浮かんだりと、完全に雪化粧を施したわけではなく、中のクッキーの素肌が透けていたりほんのり小麦色かつ温もりのある色合いが和のテイストを醸し出す、といった第一印象です。

ひと口サイズよりも大ぶりなので、一口かじってみると…想像以上にざくざくっとした歯ごたえに驚き!音も食感もほっこりとしたパッケージと比べると、非常に大胆。

一見チョコチップのようですが、小豆の皮なんです
一見チョコチップのようですが、小豆の皮なんです

あんこはあんこでも、こしあんを炊き上げるには一度小豆を煮てから力強く何度もさらしで漉しながら、皮と中の呉という部分を分けていきます。その際に残ってしまう皮を活用なさっているとのこと。

低温でしっかりと水分を飛ばして乾燥焼きされたたっぷりの小豆の皮の食感や、ざくざくという心地よく耳に響く音、雑穀がたっぷり入ったクッキーのような感覚…

あんことして、または豆そのものとしての小豆に馴染みが無かったり敬遠される方も、仄かなバターの乳脂肪分や卵のコクと一緒に焼き菓子としていただくと、皮とはいえ小豆の香りや噛んでいくうちにどんどん強かになっていく味わいをきっと美味しいと実感していただけるはず。

上和三盆だからこその温かな色合い
上和三盆だからこその温かな色合い

また、粉糖ではなく上和三盆をまとったお菓子というのも、和菓子屋さんらしいポイント。舌に触れる優しい甘味と香ばしさのハーモニーは穏やかな午後のおやつの時間に花を添えてくれること間違いなしです。

珈琲を落としている間につまみ食い
珈琲を落としている間につまみ食い

数年前に都内の催事にて「小豆の皮の水分を飛ばすにはとても時間がかかるんです」と仰っていたことを思い出しつつ、都内百貨店で見かけた際にはちょっと良い気分の日のおやつとして購入している私。

個包装の封を横にぺりぺりっと開く瞬間から、ちょっとエコで、ちょっと良い気分のリラックスタイムがはじまります。

<亀屋良長・本店>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
075-221-2005
9時30分~18時(茶房は11時~17時)
定休日 年中無休(1月1日~1月3日はお休み)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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