「井上尚弥戦を諦めない!」亀田和毅にラストチャンスはあるのか?来年3月に世界フェザー級王座挑戦も─。
先に世界フェザー級王者に
「来年春に日本へ行く予定だ。当初は2月11日だったが変更になり、3月22日に試合をすることになると思う」
IBF世界フェザー級王者アンジェロ・レオ(米国)がボクシング専門動画サイトで、そう発言。これにより「アンジェロ・レオvs.亀田和毅(TMK)」の実現が濃厚視されている。
3月22日には大阪・大和アリーナで亀田興毅がプロモートする『3150×LUSHBOMU vol.4』が開催される。ここで亀田和毅が王座に挑戦する可能性が高まったというわけだ。亀田はIBFフェザー級のトップランカー、「IBF世界フェザー級次期挑戦者決定戦」と銘打たれた今年8月の試合でレラト・ドラミニ(南アフリカ)にも2-1のスプリット判定ながら勝利しているのだから、その線は十分にある。
以前に亀田は、こう話していた。
「(井上尚弥は)自分のキャリアにおいて、必ず対戦したい相手。自分がフェザー級のベルトを持てば、そういう流れになると思う。(井上vs.亀田を)誰もが観たいと思う状況を自分が作っていきたい」
おそらく井上は再来年(2026年)には階級をフェザーに上げ5階級制覇を目指す。井上陣営は亀田を評価していないし、闘いたいとも思っていない。それでも自らがフェザー級の世界王者であったなら対戦に辿り着けるというわけだ。確かにその可能性はある。
「井上家」vs.「亀田家」
正式発表はされていないが、実現したなら亀田はIBF世界フェザー級王者のレオに勝てるのか?
まずはレオが、いかなる選手なのかに触れておこう。
2012年11月、18歳でプロデビュー。その後、連勝街道を驀進し世界がコロナ禍にあった2020年夏に20戦目でWBO世界バンタム級王座決定戦に挑んだ。ここでトラメイン・ウィリアムズ(米国)に判定で勝利、念願の世界ベルトを腰に巻いた。
しかし、翌21年1月の初防衛戦でスティーブン・フルトン(米国)に判定で敗れ王座陥落。これが初黒星である。その後、階級をフェザーに上げ今年8月にルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)を10ラウンド凄絶KOに葬りIBF世界王座を奪取、2階級制覇を果たした。戦績25勝(12KO)1敗。
手数の多さには定評のある右ボクサーファイター。中間距離での闘いを得意とし、時に構えを左にスイッチする器用さもある。スピード、パンチ力において飛び抜けたものはないが、同じペースを保てることが強み。持久力に長け、気持ちも強い。またロペス戦ではパワーが増しているようにも見えた。
「早くフェザー級に上げてかかって来い!」
レオは、そう口にして井上尚弥を煽ってもいる。だが残念ながら、そこまでの特別なチャンピオンには見えない。穴が少なく完成度は高いが極上ではない。
亀田との対比では総合力でレオがやや上のように感じるも、大差はない。KO決着があるとすればレオだが、上手くペースにはめれば亀田にも勝機はある。
いずれが試合前半で主導権を握るかが勝敗を決することになろう。
個人的には「井上尚弥vs.亀田和毅」が観たい。
力の差はあるが、井上が外国人選手を相手に闘うよりも感情移入しやすくファンの興味も掻き立てると思うから。2000年代のボクシング界を騒がせた「亀田家」と、2010年代以降にリングを席巻した「井上家」の決着戦があってもよいのではないか。
本気で亀田和毅が井上尚弥と闘いたいなら、レオに勝つことがマスト条件。これがラストチャンスだ。
亀田家最後の砦は、意地を見せることができるのか─。