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サイ・ヤング賞左腕に続き「最後の大物FA」もドジャースと同地区の他球団へ。1年2500万ドル

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーダン・モンゴメリー Sep 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今月中旬、ロサンゼルス・ドジャースと同じナ・リーグの2球団は、立て続けに先発投手を手に入れた。サンディエゴ・パドレスは、トレードにより、シカゴ・ホワイトソックスからディラン・シースを獲得した。サンフランシスコ・ジャイアンツは、ブレイク・スネルと2年6200万ドルの契約を交わした。

 シースは、ホワイトソックスで開幕投手に指名されていた。スネルは、昨年、5年ぶり2度目のサイ・ヤング賞を受賞した。過去3シーズンの奪三振率、スネルの11.85とシースの11.40は、400イニング以上の57人中、トップ2に位置する。

「パドレスに続きジャイアンツも大物を手に入れる。昨年のサイ・ヤング賞投手を加え、打倒ドジャースへ」

 こちらもナ・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスも、大物をローテーションに加えたようだ。ESPNのジェフ・パッサンやUSAトゥディのボブ・ナイテンゲールらが、ジョーダン・モンゴメリーとの契約合意を報じている。

 報道によると、契約は1年2500万ドル。そこに、先発登板の数に応じた2025年の選手オプションがついていて、10登板で2000万ドル、18登板で2250万ドル、23登板で2500万ドル。10登板に達すると、オプト・アウトの権利も発生するという。

 過去3シーズンは、スネルが436.2イニングで防御率3.15、シースが526.2イニングで防御率3.54、モンゴメリーは524.1イニングで防御率3.48だ。モンゴメリーの奪三振率は、8.34に過ぎない。

 ただ、モンゴメリーのように、過去3シーズンとも、150イニング以上を投げて防御率4.00未満の投手は、他に6人しかいない。そのなかに、スネルとシースは含まれていない。

 ダイヤモンドバックスは、12月初旬に、こちらも左投手のエデュアルド・ロドリゲスと4年8000万ドルの契約を交わした。だが、ロドリゲスは、3月19日の登板中に左の広背筋を痛めた。

 開幕ローテーションには、ザック・ギャレンメリル・ケリートミー・ヘンリーブランドン・フォートライン・ネルソンの5人が並ぶ。ロドリゲスの離脱が長引かなければ、5月を迎えるまでには、ギャレン、ケリー、モンゴメリー、ロドリゲスに、5人目はヘンリー、フォート、ネルソンの誰か、となるだろう。後者の先発1番手から4番手までは、昨年、いずれも150イニング以上を投げて防御率3.50未満を記録した。

 昨年、ダイヤモンドバックスは、ドジャースに16ゲーム差をつけられたが、ワイルドカードでポストシーズンに進み、ミルウォーキー・ブルワーズに続いて、ドジャースもスウィープした。さらに、フィラデルフィア・フィリーズを倒し、ワールドシリーズに進出した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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