ヤンキースのベテランがもうすぐ快挙(?)を達成。ピート・ローズの持つメジャーリーグ最多記録まであと1
ニューヨーク・ヤンキースのジャコビー・エルズベリーが、ピート・ローズの持つメジャーリーグ通算記録にあと1と迫っている。と言っても、その記録は最多安打(4256本)でも最多出場(3562試合)でもない。
5月11日、2死満塁の場面でエルズベリーが振ったバットは、ファウルを飛ばす直前にブライアン・マッキャン(ヒューストン・アストロズ)のキャッチャー・ミットに触れた。捕手によるインターフェアランス、打撃妨害だ。エルズベリーは一塁に歩き、押し出しとなったことで打点が記録された。
エルズベリーはこの10日前にも、打撃妨害で塁に出ている。次の打撃妨害により、ローズの通算29度に並ぶ。
昨シーズンが始まった時点で、エルズベリーの打撃妨害はローズの約半数、通算14度に過ぎなかった。それが、昨シーズンは12度を数え、ロベルト・ケリーが1992年に作ったシーズン最多記録(8度)を塗り替えた。また、昨シーズンの打撃妨害はメジャーリーグ全体で39度。エルズベリーを除くと、アーロン・ヒル(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)とエンジェル・パガーンの各3度が最も多かった。
エルズベリーはバッター・ボックスの後方に立つ。ただ、昨シーズンからそうしているわけではなく、これだけでは打撃妨害の急増は説明できない。どうやら、バットがボールを捉える位置が後ろにずれているようだ。ニューヨーク・ポストのダン・マーティンらは1月に、アラン・コックレル打撃コーチのこんなコメントを報じている。「彼の本来のコンタクト・ポイントは、今よりも3、4インチ(7.62~10.16cm)前だと思う」。
エルズベリーは昨年9月に33歳となった。ヒルとパガーンはさらに年上だ。この2人は昨シーズンを迎えるまで、打撃妨害は一度もなかった。ということは、エルズベリーはローズに追いつき、追い越すだけでなく、さらに打撃妨害を積み重ねていくかもしれない。ちなみに、ケリーは27歳のシーズンに8度の打撃妨害を記録したが、その後の8シーズンは合計で6度だった。