日本の南海上が騒がしく 今後新たな熱帯低気圧も発生へ
今夜までに新たな熱帯低気圧が発生か
タイトル画像で確認できる通り、日本のはるか南海上(フィリピンの東海上)がかなり騒がしくなってきました。
きょう4日(月)午前3時の実況天気図では、低圧部(Lマーク)が一つ解析されていますが、今夜午後9時の予想天気図では、この低圧部の東側に新たな熱帯低気圧(TDマーク)が発生し、あす5日(火)にかけて、ゆっくりと西進する見込みです。
ここで低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心がはっきりと推定できるようになったものが熱帯低気圧と定義されます。
そしてこの熱帯低気圧が発達し、中心付近の風が強まれば台風へ変わります。
では、今後この二つの熱帯擾乱の予想はどうなっているでしょうか?
二つの台風発生を予想する計算も
諸外国を含む様々なモデルの計算結果をみると、これら二つの熱帯擾乱の予想は、まだかなり幅が広く、定まっていません。
上図は日本のモデルのアンサンブル予報のごく一部を抜粋したものですが、左のように二つの熱帯擾乱ともにあまり発達しないまま、時間だけが経過していくパターンがある一方、右のように二つの熱帯擾乱ともに西寄りに進みながら発達し、今週末以降、フィリピン周辺で二つの台風が発生するような計算も見受けられます。
また諸外国の中には今後発生が予想される熱帯低気圧がかなり強い台風へ発達し、来週、日本の南を北東進するような計算も存在しています。
全体の傾向としては、これら二つの熱帯擾乱が将来的に台風へ発達すると予想するメンバーが増えてきていますので、今後、今年初の台風(1号)が発生するかどうかも含めて要注目です。
フィリピン付近から日本の南海上で対流活動が活発化する予想
上図は少し専門的になりますが、上空の収束や発散の度合いを平年との差異で表したもので、上段は上空1500メートル付近(下層)、下段は上空12000メートル付近(上層)を表し、来週11日(月)を中心とした5日移動平均をみたものです。
注目は、フィリピン周辺から日本の南海上にかけてで、上段の下層は強い収束を示す赤色となっている一方で、下段の上層は強い発散を示す青色が顕著となっています。
下層で収束し、上層で発散するということは、この領域で、平年より上昇流が強く、対流が活発化しやすいことを表しており、このことからも、来週にかけてフィリピン周辺で熱帯擾乱が発達してもおかしくないような状況と言えます。
また上昇流が強いと思われる領域が日本の南海上から本州付近へ広がっている計算ともなっており、場合によっては、熱帯擾乱が北緯20度を越え、偏西風の蛇行などによっては日本付近の天気に影響する可能性もゼロとは言えませんので、このあたりも将来的に注目かと思います。