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トレードで「お買い得」はどっち!? シンダーガードと元エンジェルスの投手、防御率はともに3点台後半

宇根夏樹ベースボール・ライター
ノア・シンダーガード(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 27, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ノア・シンダーガード(ロサンゼルス・エンジェルス)とホゼ・キンターナ(ピッツバーグ・パイレーツ)は、どちらも、この夏に移籍する可能性が高い。

 エンジェルスもパイレーツも、今秋のポストシーズンにはたどり着けそうにない。シンダーガードとキンターナは、2人とも、今オフにFAとなる。

 右投手と左投手、80.0イニング(15登板)と97.1イニング(19登板)など、違いはあるものの、今シーズンのスタッツはよく似ている。防御率は、シンガーガードシンダーガードが3.83、キンターナは3.70。奪三振率は7.20と7.86、与四球率は2.48と2.68、K/BBは2.91と2.93、WHIPは1.21と1.28だ。

 もちろん、トレード市場に並んでいる先発投手は、彼らだけではない。ただ、ルイス・カスティーヨ(シンシナティ・レッズ)とタイラー・マーリー(レッズ)、フランキー・モンタス(オークランド・アスレティックス)は、来オフまでFAにならないので、獲得するにはそれなりの見返りが必要になる。彼らについては、1ヵ月前に「今夏のトレード市場を賑わせる「先発投手ビッグ3」。いずれも数ヵ月のレンタルではなく…」で書いた。

 また、今オフにFAとなる先発投手のうち、マーティン・ペレス(テキサス・レンジャーズ)は、118.0イニングを投げて防御率2.59を記録している。レンジャーズが放出するかどうかも、定かではない。一方、チャド・クール(コロラド・ロッキーズ)とジョーダン・ライルズ(ボルティモア・オリオールズ)の防御率は、4.48と4.79だ。

 この夏の放出がまず間違いなく、大きな見返りなしに入手することができ、ここからローテーションの3~4番手として投げられそうな投手、となると、筆頭候補はシンダーガードとキンターナの2人だろう。

 今シーズンのスタッツは同水準ながら、トレード市場で人気を博すのは、キンターナのほうだと思われる。シンダーガードの年俸2100万ドルに対し、キンターナの年俸は10分の1以下の200万ドルだ。レギュラーシーズンの残りはあと約40%なので、獲得する球団の支払い額は、それぞれ、840万ドル前後と80万ドル前後になる。

 なお、シンガーガードシンダーガードは、シーズン途中の移籍を経験したことがない。トレードは、メジャーデビュー前に1度。2012年のオフに、トロント・ブルージェイズからニューヨーク・メッツへ移った。キンターナは、2017年の夏に、シカゴ・ホワイトソックスからシカゴ・カブスへ移籍した。昨年の夏も、ウェーバーを経由し、エンジェルスからサンフランシスコ・ジャイアンツへ移っている。

 ローテーションの順番からすると、シンガーガードシンダーガードは7月31日、キンターナは7月29日に登板しそうだ。だが、その前に、トレードで動くかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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