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私たちと政治や政策・・・政治・政策リテラシー講座7

鈴木崇弘政策研究者、PHP総研特任フェロー

私たちは、日常的に生活をしていると、政治や政策を身近に感じることはあまりありません。いや、まったく感じないかもしれません。あるいは、逆に政治は非常に遠いもの、汚いものなどと感じているのではないでしょうか。

皆さんは、どうですか。どのように思われますか。

ところが、よくよく考えていただきたいことがあります。まず皆さんの日々の生活を思い出してみてください。

たとえば、朝起きれば水で顔を洗い、電気でトースター使いパンを焼き、ガスでお湯を沸かしてコーヒーをつくり、朝食を食べたりしています。そして、道を歩き、地下鉄に乗って、会社なり学校に行ったりしていると思います。

これらについて考えてみましょう。実は、水も電気もガスも、電気事業法(注1)などのさまざまな法制度でその運用が規制されていたり、中央や地方の政府・行政によって管理されたりしているのです。そして道路も、道路法(注2)や道路交通法(注3)などで管理されていたり、また地下鉄もたとえば東京地下鉄株式会社法(注4)などに基づいて運営されているのです。

これらの法律などは、ほんの一部を示しているに過ぎません。しかしながら、これらのことからもわかることは、私たちの生活のほとんどが法律なり、政策に関わっていたり、それらに基づいているということです。そしてそれらの法律なりを決めているのが、政治なのです。

私たちは、自分が気づいているか否かに関わらず、自分が好きか嫌いかに関わらず、実は政策や政治の中で、それとの関わりの中で、生活し活動しているということなのです。

ということは、私たちは、政策や政治を無視して生活することは実はできないということなのです。そして、それらを無視したり、避けたりしていると、政策や法律のメリットを得られないだけでなく、むしろ不利益を被ることもありうるのです。

このように考えていくと、私たち一人一人が、政治や政策にできるだけもっと関心をもっていくことが必要であることがわかります。

ぜひ皆さんも自分の周りや生活を見回してみて、それらが如何に政治や政策と関係しているかをまず考え、実感してみてください。そうすれば、政治や政策というものがこれまでと全く違ってみえてくることと思います。

(注1)電気事業及び電気工作物の保安の確保に関して定められた法律です。

(注2)道路の定義からその整備手続、管理や費用の負担、さらに罰則などを定めており、道路に関する事項を定めて

いる法律です。高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道の4種類を対象としています。

(注3)道路における危険の防止やその他交通の安全と円滑を図り、道路の交通に起因する障害を防止するための法律で

す。略称は道交法です。

(注4)東京地下鉄株式会社の設立と運営を目的とした法律です。

政策研究者、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。経済安全保障経営センター研究主幹等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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