【パリ】コロナ禍でも光り輝く街 色鮮やかなイルミネーションが今年も健在です。
イルミネーションイベントを知らせるパリ市のサイトの冒頭にある言葉です。
納得、しますよね。
12月のパリのイルミネーションは毎年恒例の行事ですが、カフェやレストランがあいかわらず閉まっていて、美術館、映画館、劇場も沈黙しているこの冬はとくに、街のイルミネーションに救われる気がします。
市内では通りごとに、さまざまに趣向を凝らしたクリスマスイルミネーションが施されますが、数にすると150の通り、70の界隈が光で彩られるといわれます。
なかでも有名なのはシャンゼリゼ大通りでしょうか。ことしは11月22日に点灯式が行われましたが、全長およそ2キロメートルにわたってまっすぐに伸びる大通りは、冒頭の写真のとおり、今年は赤い光の帯になっています。
また今年は、パリ市庁舎をはじめ、コンコルド広場、バスティーユ広場など市内中心部のモニュメントがブルーの光ときらめくクリスマスツリーで飾られ、幻想的な世界をみせています。
これらのおもだったパリのイルミネーションは記事の終わりの動画でもたっぷりとご覧いただけます。
フランスでは現在、夜間外出禁止令が施行されているために、20時までには帰宅しなくてはなりませんが、日の入りが17時くらいですから、黄昏どきから3時間近くはこの光のイベントを楽しむことができます。
巣ごもり、環境問題を意識した取り組みも
また、パリ市はいわゆるステイホームでも参加できる試みとして、自宅の窓などのクリスマス飾りを写真にとり、ハッシュタグ#ParisScintille(パリ・サンチーユ=パリがきらめく)を付けてSNSに投稿することを呼びかけています。美しい窓のデコレーションはインスタグラム@quefaireparis で、また素晴らしい写真は@Paris le 24 décebre, @paris maville といった公式サイトで発表される予定だそうです。
ところで、市庁舎前広場のデコレーションには、約60本のもみの木などが使われているそうですが、これらは持続可能な管理がされた国内の森から運ばれてきたものです。一部は鉢植えになっていて、来年もまた再利用できるほか、伐採されてきたものも、イベントのあとに廃棄処分されるのではなく、細かく砕かれてウッドチップになり、市内の緑地に施される予定。それによって雑草の繁殖や土壌からの水分蒸発を抑える効果が期待できる、いわゆるマルチングの資材として再利用されるというわけです。
現市長のアンヌ・イダルゴさんは、市内の自動車道を大幅に削減し、ドライバーからは不評をかってもいるのですが、それでも環境問題に積極的に取り組むという姿勢を曲げずにきています。そして今年のクリスマスのイベントにもじつは、そんなパリ市のエコロジカルな方針が貫かれている、といえそうです。
パリ市庁舎前広場、コンコルド広場などのブルーのイルミネーションは1月3日まで行われています。