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「牛角」食べ放題コースの女性半額に賛否! 飲食店における男女の価格差をどう考える? #専門家のまとめ

東龍グルメジャーナリスト
(写真:イメージマート)

飲食店では、料理やドリンクをオーダーすればするほど料金が高くなります。しかし、食べ放題やブッフェであれば、料金は定額で好きなだけ食べられるので、安心かつ明朗会計。食べ放題専門店もありますが、通常メニューと食べ放題メニューの両方を提供していたり、時間帯によって業態を変えたりしている店もあります。

先日、食べ放題コースも提供している焼肉店がとった、あるお得なプロモーションが、大きな議論を呼びました。

ココがポイント

男性差別の意図は全くなく、食べ放題で女性は男性に比べて注文する量が4皿分少ないデータがあることから安くした
出典:テレ朝news 2024/9/3(火)

相席居酒屋では(中略)多くの場合、男性の利用料金が比較的高額に設定される一方で、女性の利用料金は無料または低額に設定
出典:@DIME 2022/5/7(土)

同じ値段の同じ商品である以上、可能な限り同じものを提供するということが、店と客の間で「暗黙の了解」
出典:弁護士ドットコム 2023/10/16(月)

食分野における20年間(中略)のデータを分析したところ、男女差が縮小する項目が拡大する項目を明らかに上回っていました
出典:日経クロストレンド 2024/2/29(木)

エキスパートの補足・見解

大手焼肉チェーン店「牛角」が、2024年9月2日から12日まで食べ放題コースが女性だけ半額になるキャンペーンを実施しました。告知すると、SNSを端緒として実施前から男女差別ではないかと批判が沸騰。同社は、女性は男性よりも食べる量が4皿少ないので安くしたと説明しますが、炎上は収まりませんでした。

そもそも食べ放題では、女性や幼児など、成人男性より食べる量が少ないとされている人の料金が安くなっていることが少なくありません。相席居酒屋では、女性が定額であったり、無料であったりするのが一般的。コースやアラカルトでは勝手にボリュームを少なくすることはありませんが、客が希望すれば減らします。

法律的な見解では、同じ値段であれば男女とも同じものを提供しなければならないので、量を少なくされたら差額を請求できるといいます。

店からすれば、食べる量が少なくて食べ放題を敬遠する女性にも利用してもらいやすくなるので、値段を安くすることは有効な戦略です。ただ、食分野における男女の価値観や意識の差は、若い人ほど縮小しているという調査結果もあるので、飲食店における男女の価格差は今後なくなっていくことも考えられます。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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