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一生に一度は浸かりたい!「にごり湯を楽しめる温泉地」5選(東日本編)

高橋一喜温泉ライター/編集者
乳頭温泉郷・鶴の湯

温泉はそれぞれが個性をもつ。わかりやすいのが湯の色だろう。全国各地を回っていると、白や緑、茶、青、赤などさまざまな色の温泉があることに気付く。たとえば、秘湯として有名な乳頭温泉郷は「鶴の湯」の乳白色のほか、「妙乃湯」の黄金色、「大釜温泉」の緑色など源泉の色も多彩である。

「温泉はにごっていないと入った気がしない」という人は少なくない。にごり湯は温泉情緒を演出する効果がある。たしかに個性的な色の源泉につかると「ああ、はるばる温泉にやってきたなあ」と満たされた気持ちになるだろう。

そこで、今回はにごり湯が楽しめる温泉地を東日本エリアに絞って5カ所紹介したい。源泉かけ流しで、鮮度の高い湯ばかりである。

国見温泉・石塚旅館(岩手県)

雫石町の山中にある静かな温泉地は、まるで宝石のように輝くエメラルドグリーンの湯で知られる。「入浴剤を溶かしたかのよう」と表現されるほど、温泉離れした色彩を放っている。硫黄成分の濃い湯で、特有の香りも温泉情緒を盛り上げてくれる。唯一無二の色をもつ名湯である。湯治宿の風情を残す石塚旅館では、都会の喧騒とは無縁の静かな時間を過ごせる。

岳温泉(福島県)

安達太良山の麓に広がる高原の温泉地。全国的にも珍しい酸性泉で、よく温まる湯が基本的に掛け流しにされている。地獄地帯から引かれる温泉は、普段は透明だが、週に1度の頻度で美しい乳白色に変わる。源泉を引く樋を清掃して、湯の花を洗い流すことによって起こる現象だ。源泉が白く濁る「ミルキーデイ」は、各旅館の湯船だけでなく、足湯も乳白色に変わる。日帰り入浴を受け付けている旅館も多数あるので、ミルキーデイを狙って訪問してもいいだろう。

登別温泉・大湯沼天然足湯(北海道)

登別は荒涼とした地獄地帯から大量の源泉が湧き出している。多くの旅館や入浴施設で白濁した湯を楽しめるが、温泉街の散策のついでにぜひ訪ねたいのが「大湯沼天然足湯」。大湯沼という温泉の沼からあふれだした湯が乳白色の川となって流れる。足湯のみだが、森林浴を楽しみながら壮大な温泉のエネルギーに触れることができる貴重なスポット。

黄金崎不老ふ死温泉(青森県)

日本海を一望できる波打ち際に建つ一軒宿。東北を代表する海の絶景温泉だ。波打ち際に設けられた露天風呂には、潮風が吹きつけ、すぐ近くまで日本海の荒波が押し寄せる。夕暮れ時の景色は格別で、塩分をふんだんに含んだ赤茶色の濁り湯が黄金色に輝く。夕食で提供される新鮮な海の幸も美味。

万座温泉(群馬県)

標高1800mに位置する万座温泉は乳白色の湯が名物。硫黄成分の含有量が日本一の温泉としても知られる。万座温泉の湯船は基本的にいずれも濁り湯で、乳白色が映える開放的な露天風呂をもつ宿が多い。なかでも「日進舘」の極楽湯は眺望抜群の絶景温泉である。

万座温泉・豊国館
万座温泉・豊国館

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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