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官舎で酒に酔って抵抗できない部下の女性に性的暴行か 元検事正の電撃逮捕に思うこと

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

 大阪中之島の法務合同庁舎やOBを含めた検察関係者に激震が走るニュースが飛び込んできた。大阪高検による元大阪地検検事正の電撃逮捕だ。筆者も速報に接し、思わず声を上げて驚いた。現職時代に仕事をともにしたよく知る間柄だったばかりか、こともあろうに罪名が準強制性交罪だったからだ。

高検による異例の捜査

 大阪高検は被害者のプライバシー保護を理由として容疑の内容を公表しておらず、記者会見にも応じていない。しかし、すでに複数のメディアが報じ始めている。これによると、大阪弁護士会の弁護士である北川健太郎氏が、検事正を務めていた2018年頃、大阪市内の検事正官舎で、アルコールの影響により抵抗できない状態だった部下の女性に対し、性的暴行を加えたとされる容疑のようだ。

 同僚らと店で酒を飲んで解散したあと、部下の女性と2人で検事正官舎に移動したという。後輩の女性検事だと報じているメディアもある。一方、北川氏は逮捕前の大阪高検の取調べに対し、「同意があると思った」などと供述していたという。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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