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ひき逃げ殺人で裁判員裁判の死刑判決を高裁、最高裁が無期懲役に…制度の意義は

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

 一般市民から選ばれた裁判員らが様々な知識や社会経験に基づいて熟慮を重ね、素朴な市民感覚に基づいて下した裁判員裁判による死刑判決が、またもや高裁や最高裁のプロの裁判官によって覆された。

 2020年に刑務所を満期出所するも、わずか2日で新しい人間関係や仕事に不安が募り、長く刑務所に入りたいとの動機からトラックを2人くらいに衝突させようと考え、まずはこれを勤務先から盗み出し、無免許で運転する中、福島県内の国道で清掃活動中だった無防備の男女を見つけるや、時速60~70キロまで加速させ、故意にはねるなどして殺害し、そのまま逃げた男の事件だ。

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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