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ノート(262) 受刑者に対する出所時や出所後の様々な支援制度、特に恩赦について

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~釈前編(22)

受刑380/384日目(続)

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 この日は教材用の7本のビデオテープを全て見終えたので、次に「釈放前教育のしおり」に目を通した。A4サイズの冊子で、漢字が読めない受刑者のために全ての漢字にふりがなが付けられていた。これを読めば、受刑者に対する出所時や出所後の様々な支援制度が網羅的に理解できるというものだ。

 例えば、住民登録のやり方や生活保護の受給方法、仕事の探し方、社会保障の仕組み、釈放後の運転免許更新などに必要な「在所証明書」の申請方法などだ。出所後6ヶ月間に限られるものの、金品の貸与や食事の提供、宿泊場所の提供が行われる「更生緊急保護制度」についても分かりやすく説明されていた。

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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