ハリケーン「ホネ」がハワイ接近へ
5号、7号、10号と、日本はひっきりなしに台風の脅威にさらされていますが、ハワイにも複数の嵐が連続して接近する
上の写真は23日(金)の気象衛星画像です。左から台風10号、トロピカルストーム・ホネ(Hone)、ハリケーン・ギルマ(Gilma)、そして発達中の熱帯低気圧が並んでいます。
このところ日本の南では同時にいくつもの熱帯低気圧が発生しましたが、太平洋の反対側でも、4つの嵐が並ぶという、珍しい状況が起きたことがありました。興味深いことに、その2つずつ2対がお互い干渉し合って「藤原の効果」と呼ばれる奇妙な進路を取りました。
ハワイへの影響
今発生している嵐の今後の動きを見てみましょう。
【ホネ】
「ホネ」とはハワイ語で「甘くて優しい」という意味があるそうです。嵐に付けるには意外なネーミングのようにも聞こえます。
ハワイの言葉が嵐の名前に付けられているということは、この嵐がハワイ近海の太平洋中部で発生したことを示しています。この海域でこうしたストームが発生するのは、2019年以来、約5年ぶりのことです。
ホネは現地時間24日(土)から25日(日)にかけて、ハワイ島に最接近する見込みです。最大250ミリの大雨が予想されています。25日(日)にはハリケーンへと発達し、その強さのままでオアフ島・ホノルルの南の海上を通過する見込みです。ここでも大雨や強風の恐れが出ています。
ハワイ観光局は旅行者に対し、渡航は安全だと伝えていますが、屋外活動は延期するよう勧めています。
【ギルマ】
一方ギルマはカテゴリー2の、上から4番目に強いハリケーンです。一時は、この海域における今年最強のハリケーンにまで発達しました。しかし今後も勢力を弱め、来週後半に、ハワイの北をやや離れて通過する見込みです。
【熱帯低気圧】
発達中の熱帯低気圧は、今後風速が18メートルを超えて、トロピカルストームに発達する可能性があります。ただこちらもまた、ハワイに近づくまでには弱まる見込みです。
これらの嵐の直撃の可能性は低いですが、ハワイでは来週にかけてぐずついた天気が続き、海も荒れた状態が長引きそうです。
(ホノルルの天気の詳細は、こちらからご確認できます)
雨だけではないハリケーンの恐ろしさ
今からほぼ1年前、マウイ島のラハイナで、100人以上の命を奪うハワイ州史上最悪の山火事が発生しました。火が広がる様子を映像で目にしたとき、恐怖を覚えたことをはっきりと思い出します。
火災が広がった原因は、ハリケーン・ドラがハワイの南を通過した際に、北に位置していた高気圧との気圧差で強風が吹いたことにありました。その気圧差は、およそ90ヘクトパスカルにも及びました。
このように、嵐が直撃しなくても、間接的に全く異なる災害のリスクがある。このことを心に留めておく必要があると思います。