【浸水被害の現場から】800人以上今も孤立 岩手県岩泉町に入った 物資、重機、泥かきボランティア求む
■岩泉町役場「支援物資の申し出は快くお受けしたい」
台風10号の記録的な大雨で、岩手県内では、これまでに12人が死亡し、2人が心肺停止となっている。道路の寸断などで、今も岩泉町を中心に1000人以上が孤立、700人以上が避難生活を送っている状況だ。
東京から岩泉町の支援に訪れている、福元利明さんによると、盛岡から岩泉町を結ぶ国道455号線では、今日も、除雪車を使って道を覆っていた泥を取り除く作業が行なわれている。
町の中心部では、電気や水道が復旧し始めているが、全般的に重機が不足しているという声や、孤立した地域では医薬品や食料、飲料水が足りないという声が上がっている。
そうした中、自衛隊の災害派遣が支援物資の搬入を急いでいる。
浸水被害直後から、連絡を取り合っている岩泉町の住民で5ヶ月の乳児を育てる沙也香さんからは次のようなメッセージが届いた。
・子ども用のオムツ各サイズ
・飲料水
・ジャージのズボン
・子ども用のミルク
・離乳食
・衛生用品
・手指の消毒液
・男女の下着や衣類
・調理不要の食べられる食品
これらが岩泉町に不足しています。
現在、支援物資は県の社会福祉協議会など各地から届き始めているが、岩泉町役場に問い合わせると、どのような物資が必要かなど具体的な町民のニーズは把握できていないという。支援物資の受付は税務出納課が担当しており、一般からの支援物資の申し出について「快くお受けしたい」と話している。
岩泉町役場では、ブログ、Facebook、Twitterを使って災害復旧に関する情報発信を開始している。
(※岩泉町役場ホームページ)
■「家の四方が水に囲まれた」孤立する集落の今
そうした中、国立高専機構仙台高専准教授でNPO法人コミュニティ代表理事の小地沢将之さんが、1日、岩泉町内の各地を訪ね、浸水被害の深刻さ、寸断された道路状況や物資や飲料水確保の現状などについての現状を伝えるルポを8bitNewsに送ってきてれた。岩泉町に祖父母や親類の家があるという。
レポートは岩泉町門の小本川沿い。門中瀬から小川(こがわ)中学校や小川橋のある救沢(すくえざわ)と小本(おもと)川の合流地点あたりまでの1日時点の様子だ。
小地沢さんの報告によると、電信柱が倒れたり、道路が陥没するなどして通行できない箇所が複数あるほか、給水車が一度も来ていないという集落の声もあった。支流の氾濫によって、道路が完全に川になってしまったという箇所もある。
門地区にある小地沢さんの叔父叔母の家は、四方八方が水に囲まれてしまい、泥かきも困難な状況だったという。
現地の様子からは生活再建に向け、早急な泥かきが必要なほか、壊れた住宅や道の復旧に向け長期的な支援の必要性が伝わってくる。小地沢さんは地元への支援をお願いしたいと今も呼びかけを続けている。
小川(こがわ)地区全体では避難所が一箇所設けられていて、かいぜんセンターと呼ばれています。ここでは暖かい食事も十分提供されているようです。また、多くの人たちは自宅にいながら避難所に通って食事をもらうという生活をしているようでした。
今気がかりなのは、電気と水が来ていない。家の前が泥だらけで車も入れないという状況ですので、ボランティアセンターが開設されたら是非、泥かきボランティアにも参加していただきたいのです。こういった生活の復旧から始まらないと何も先が見えないよねというのが皆さんの共通の意見でした。まずは身近なこと、家の中から泥がなくなって、家財が綺麗に片付いて、というところの支援を中心に是非小川地区に入っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
■岩泉町では災害ボランティアセンターが開設 避難生活を続ける地元中高生が主体
岩泉町役場内に災害ボランティアセンターが2日、開設された。受付は8時30分からで、泥のかき出し作業などを中心に住民からの要望をうけた現場に派遣される。センターによると、昨日は電話を含め、ボランティアへの登録申し出が55人。そのうち現地に来た39人が実際に活動を行った。町内ボランティアの多くは、町民会館に避難している中学生、高校生だという。
ボランティアの申し込みや問い合わせはこちら。
岩泉町災害ボランティアセンター
(岩泉町役場内 町民室)
岩泉町惣畑59-5
TEL 0194-22-2111
ボランティアセンター直通 090-7079-6035
開設時間 8:30~17:00
活動時間 9:00~15:00