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iPhoneの使い勝手は大きく変わる - 最新iOS 10のパブリックプレビュー公開

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
WWDC16で発表されたiOS 10では、主に10の新機能が紹介された

Appleは米国時間7月7日に、最新のiPhone・iPad向けOSである「iOS 10」のパブリックプレビュー版を公開しました。ユーザーは自己責任で、自分のデバイスにiOS 10をインストールして、その最新機能を試すことができます。インストールは、以下のサイトから。

beta.apple.com

iOS 10は、Appleの開発者会議「WWDC16」で6月13日に発表され、開発者向けのプレビュー版が公開されてきました。今回は、開発者ではない一般ユーザーも、おそらく9月とみられる正式版リリース前に試すことができるようになりました。

WWDC16では、「過去最大のアップデート」と銘打って、10の機能を紹介していました。こちらをおさらいしていきましょう。

  1. 全般:ホーム画面、通知などのUI変更となり、ロック解除しない画面でできる操作が大幅に増えた。
  2. Siri:メッセージ、タクシー配車、写真検索など、6つのカテゴリの外部アプリをサポートし、声で操作可能になった。
  3. 入力:QuickTypeが進化し、スケジュールや電話帳の情報を予測入力できるようになった。
  4. 写真:場所やテーマ、人や映っているものを検出して自動的にアルバムを作る「メモリー」機能搭載。
  5. 地図:ナビの地図自動拡大・縮小や、立ち寄り検索、外部アプリをサポートし、地図アプリ内からタクシー配車やレストラン予約が可能に。
  6. ミュージック:Apple Musicのデザイン刷新し、より素早く音楽を発見できるようになった。
  7. ニュース:デザイン刷新とアプリ内での雑誌購読が可能に。
  8. ホーム:スマートホームの制御アプリが新登場、部屋割りとシーン設定ができ、Siriからシーンを呼び出してコントロール可能になった。
  9. 電話:留守電の文字化と外部アプリのサポートし、LINEやSkypeなどのアプリでの着信も画面全体に表示されるようになる。また着信履歴やよく使う項目にも、アプリ経由の発着信が表示できる。
  10. メッセージ:画面全体を使ったアニメーションや写真へのお絵かき、スタンプなどを含むiMessageアプリのサポートし、より楽しいコミュニケーションへ。

iPhoneの使い方は、かなり変わる

ロック画面、ホーム画面のジェスチャーが変更され、始めは慣れないかもしれない。
ロック画面、ホーム画面のジェスチャーが変更され、始めは慣れないかもしれない。

様々な新機能があるiOS 10ですが、最も重要なのは1つ目のユーザーインターフェイスの変更でしょう。

iPhoneを手にとって使う際には、電源ボタンかホームボタンを押して画面を点灯させましたが、iOS 10をインストールしたiPhoneでは、本体を手にとって持ち上げて自分の方に画面を向けるだけで、画面が点灯します。またロック画面では、左から右へのスワイプでカメラ起動、左から右へのスワイプでウィジェットの表示となります。

加えて、通知はインタラクティブになり、画面に届いている通知を3D Touchで押し込むと、アプリを開かずに画面全体を使ってメッセージの返信やタクシー配車の地図などを確認することができるようになります。

通知を受けてiPhoneを操作する場合は、アプリを開かずに返事や情報の確認を済ませることができるようになるでしょう。

ただ、ロック画面やホーム画面の操作方法が大きく変わるため、慣れるまでは取っつきにくいと感じる人も多いかもしれません。

Siriでも、地図でも、メッセージでも、アプリを開かず作業を済ませる

メッセージや地図で、外部アプリの機能を呼び出して利用できるようになる
メッセージや地図で、外部アプリの機能を呼び出して利用できるようになる

iOS 10を導入したiPhoneでは、アプリの機能をバラバラにして、いろいろなところから呼び出せるようにすることで、もともと行ってきた体験を途切れずに済ませることができるようになります。

言うなれば「体験の断絶を解決するために、アプリの機能を細分化した」。

いままで、メッセージで友人とレストランで夕食を食べよう、という約束をしている際、友人とのやりとりの画面、アプリのレストラン検索画面、予約アプリを行ったり来たりしながら、とにかくアプリ切り替えを頻繁に行って、「友人と夕食を食べる約束」に取り組まなければなりませんでした。

アプリ対応したメッセージでは、メッセージのスレッドの中で、レストラン予約アプリの情報を共有しながら予定を決めることができます。同じように、地図アプリの中でも、タクシーを呼んだり、徒歩移動でフィットネスの計測を起動することもできるでしょう。

こうした対応はアプリ開発者が対応アプリをリリースする秋以降に実現していくことになりますが、軸になるアプリから離れずに目的を達成できるようになる、よりスムーズな操作体験が得られるようになることが期待できます。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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