なぜバルサは“好不調の波”があるのか?ガビの不在にレヴァンドフスキの不振…必要とされる変化。
好不調の波が、ある。
バルセロナはチャンピオンズリーグ・グループステージ第5節でポルトに勝利。ベスト16進出を決めた。一方、リーガエスパニョーラ第14節ではラージョ・バジェカーノに引き分け、首位レアル・マドリーとの勝ち点差が4ポイントまで広がっている。
■主力の負傷離脱
今季のバルセロナは、負傷者が続出している。
バルセロナはこの夏にイルカイ・ギュドアン、オリオル・ロメウ、イニゴ・マルティネス、ジョアン・フェリックス、ジョアン・カンセロらを獲得。だがトップ登録は19名のみという状況で、シーズンをスタートさせた。
そのなかで、主力の負傷が相次いだ。ペドリ・ゴンサレス、フレンキー・デ・ヨング、ラフィーニャ、ロベルト・レヴァンドフスキ、ジュール・クンデといった選手が、シーズン序盤戦で不在になった。
シャビ・エルナンデス監督は今季、昨季限りで退団したセルヒオ・ブスケッツの穴埋めを考えていた。ロメウとデ・ヨングを実質的にダブルボランチで構えさせ、ペドリ、ギュンドアンと共に4人で中盤を形成するというのが指揮官の狙いだった。
加えてバルセロナはガビが先日のスペイン代表の試合で負傷した。ひざの前十字靭帯断裂で、今季絶望の見込み。シャビ監督の頭痛の種が、増えてしまった。
■補強と財政事情
バルセロナはこの夏のマーケットでマルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)、ジョシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)、ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)を狙っていた。
だが契約解除金が6000万ユーロ(約90億円)に設定されるスビメンディを筆頭に、いずれも安価で獲得できる選手ではなかった。バルセロナの財政事情は厳しく、シャビ監督が本当に欲している選手は到着しなかった。シャビ監督とて、そのツケがこのような形で回ってくるとは想像していなかっただろう。
■レヴァンドフスキの不調
また、バルセロナはレヴァンドフスキが不振に喘いでいる。
レヴァンドフスキはここまで、公式戦15試合で8得点をマークしている。悪くない数字だ。ただ、リーガでは、第6節以降、第13節までノーゴールが続いた。その間、負傷で欠場した試合が2試合あったとはいえ、昨季のようにゴールを決められていないのは確かだ。
「僕たちは難しい時期を過ごしている。早くそこから抜け出したい。非常に厳しいが、普通の状態にすぐに戻らないといけない」とはチャンピオンズリーグ・グループステージ第4節シャフタール・ドネツク戦後のレヴァンドフスキのコメントだ。
レヴァンドフスキは昨季、リーガで23得点を記録して得点王に輝いた。その選手が“ゴール欠乏症”に陥っており、その影響は避けられないものになっている。
「開始1分から、我々は勝利を目指すというのを示さなければいけない。我々は自己批判をするべきだ。第一に、最大の責任者である私がね」とはラージョ戦後のシャビ監督の弁だ。
「2つの局面があった。前半、我々はゲームをコントロールしていた。しかし、アグレッシブに攻撃できなかった。後半、我々は、望むようなプレーをより見せられるようになった。チャンスをつくっていたし、ゴールしていてもおかしくなかった。後半のプレーに、近づいていかなければいけない。向上に努めるべきだ」
「僕たちは良いプレーができなかった。必要なレベルに達していなかった。ハードワークを続けていく必要がある。素晴らしいチーム、プランがある。だけど、継続性を持たなければいけない」と続いたのはデ・ヨングである。
自己批判をーー。指揮官は、そのように語った。
現在は、12月だ。もう少しすれば、“冬の王者”が決まるが、それは何かの足しになるわけではない。逆にいえば、いまからなら、修正が間に合う。困難な状況だが、変化が必要なのは明らかだ。