ノート(171) 刑務所の検身場や工場、入浴場で求められる所作
~教育編(9)
受刑55/384日目(続)
検身場での所作
警備隊長による講義では、居室を出たあと、検身場を経て工場に行き、刑務作業を終え、入浴し、居室に戻るまでの一連の流れを踏まえた話もあった。
受刑者は、土日祝日や教育的指導日など刑務作業が行われない日を除き、毎朝、配役されている工場ごとに集団で舎房を出て、掛け声を上げながら行進し、まずは工場に併設されている検身場に向かう。
検身場の外には下駄箱が備え付けられているので、舎房用のサンダルを脱ぎ、裏面を合わせ、先端を手に持ち、まっすぐ差し込んで収納する。検身場は「うなぎの寝床」のような構造であり、5畳くらいの広さで、手前が舎房着を脱ぐ部屋、奥側が工場用の作業着を着る部屋になっている。この作業着は、上下緑色だ。
両方の部屋の壁には「検身番号」と呼ばれる番号が付けられたフックがズラリと並んでいる。これは刑務所で受刑者ごとに管理されている「称呼番号」ではなく、工場ごとに各自に指定されているものであり、工場内のロッカーや下駄箱、浴場での洗い場もこの番号の場所を使う決まりとなっている。
各受刑者は、検身場に入ると、まず上下の舎房着を脱ぎ、手前の部屋にあるフックに引っ掛ける。工場担当の刑務官は、2つの部屋の中間に立ち、受刑者が危険物などの不正物品を隠し持っていないか検査する。
シャツとパンツ姿になった受刑者は、1人1人この刑務官に対峙し、両足を肩幅以上に開き、自らの称呼番号を告げ、何も隠していないということを示さなければならない。
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