楽天モバイル契約者なら「5時間無料」 音楽サブスクは新たな魅力になるか
4月1日から、楽天モバイルの利用者向けに「Rakuten Music」(楽天ミュージック)を無料で5時間まで利用できるプランの提供が始まりました。
再生できる時間や楽曲には制限があるとはいえ、無料の特典として、楽天モバイルの新たな魅力になる可能性があります。実際に使用感を試してみました。
30日ごとに5時間無料 オフラインやバックグラウンド再生も
楽天ミュージックは、楽天グループが運営する音楽の配信サービスです。楽天はユーザー数については非公開としつつも、1億曲が聴き放題とうたっています。
これまで楽天モバイルの利用者向けには、フル機能を90日間無料で体験できるキャンペーンを実施していました。これが4月からは、30日ごとに無料で5時間聴ける「バンドルプラン」に置き換わっています。
バンドルプランを設けた経緯について、楽天グループは「携帯キャリアとしての機能だけでなく、音楽などのエンターテインメントをベネフィットとして提供し、よりユーザーが満足できる携帯サービスの提供を検討した結果」(広報)と説明。「4月という新生活や新学期など新しい挑戦が始まるタイミングで、本プランを利用していただき、音楽でその『挑戦』を応援したいと考えた」(同)としています。
楽天モバイルを契約している筆者のアカウントで試してみたところ、楽天ミュージックのアプリにバンドルプランの選択肢が出てきたので、さっそく使ってみました。
まず気になるのは、バンドルプランでフル再生できる曲の数です。ランキングを見ると、最近の人気曲でもフル再生に対応したものが意外と多い印象を受けます。
ただ、サービス全体で集計していると思われるウィークリーやマンスリーのランキングには、フル再生ができない「星印」のついた曲が目立ちます。これらの曲は30秒の試聴しかできません。新曲だけでなく、昔の曲にも星印が付いているものがありました。
フル再生できる曲には限りがあるため、プレイリストを作って聴くのが良さそうです。また、運営側が用意した300分(5時間)のプレイリストにはバンドルプランでフル再生できる曲が集められており、便利に使えそうです。
他にも、シャッフル再生ではなく好きな曲を選んで聴ける「オンデマンド再生」、別のアプリを使いながら音楽を聴ける「バックグラウンド再生」、ダウンロードしておくことでデータ通信を使わずに聴ける「オフライン再生」のように、他社では有料プランを中心に提供されているような機能がバンドルプランでは提供されています。
なお、オフラインで再生した場合も再生時間としてカウントされ、5時間の枠を消費します。残りの再生時間はアカウント画面から確認できます。
一方、バンドルプランの制限としては、Webブラウザーで音楽を再生する機能には対応しておらず、スマホアプリを使う必要があります。また歌詞の表示もできないようです。
これらの制限が気になる場合は有料プランを検討することになります。最も安価なライトプランは月に20時間の再生が可能で、一部制限はあるものの、バンドルプランよりもフル再生できる曲数は多いとのことです。
楽天ミュージック全体をフルに楽しみたいのであれば、楽天カードや楽天モバイルの利用者向けに月額780円のプランが用意されています。多くの音楽配信サービスが月980円程度の価格帯で横並びになっていることを考えると、割安な印象です。
「広告なしの音楽配信」をいつでも体験できる
利用者目線では、音楽配信サービスの中には利用時間の制限なく無料で聴けるプランを提供しているところもあることから、ライトユーザーであれば無料で十分と考える人も多いでしょう。
ただ、無料プランの多くは広告が入ります。最近ではAIなどを駆使して広告を入れるタイミングに配慮しているとみられるものの、やはり広告があるのとないのとでは音楽体験に大きな差があるように思います。
その点、楽天ミュージックのバンドルプランは30日ごとに5時間という限られた時間ではあるものの、お金を払うことなく広告なしの音楽配信をいつでも体験できるオファーになっているのは興味深い点といえます。
また期間限定の体験プランとは異なり、バンドルプランは解約を忘れて意図せず課金される心配がないという安心感もあります。この点についても、おトクさに敏感な楽天モバイルの利用者と相性が良さそうです。