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梅雨時の相合傘デートで、ちょっとレアな左巻きのカタツムリを探そう

天野和利時事通信社・昆虫記者
渦巻が時計回りなら右巻き、反時計回りなら左巻きのカタツムリ。

 右巻きのカタツムリと左巻きのカタツムリがいることを知っている人は、少ないかもしれない。人間のつむじの右巻きと左巻きは、性格の違いがあるとか、時々話題になるが、カタツムリの巻き方が右か左かなど、はっきり言ってどうでもいいことなので、ほとんど話題にならない。

 しかし、アジサイが見頃の梅雨時の今こそ、カタツムリの出番であり、貝が右巻きか、左巻きか調べてみるのも一興だ。

 ちなみに、人のつむじは右巻きが多い。カタツムリも圧倒的に右巻きが多いので、ちょっとレアな左巻きの種類のカタツムリには、ヒダリマキマイマイという、そのものズバリの名前が付けられている。

雨の日、東京の路上にいたヒダリマキマイマイ。
雨の日、東京の路上にいたヒダリマキマイマイ。

大型の右巻きカタツムリの代表、ミスジマイマイ。
大型の右巻きカタツムリの代表、ミスジマイマイ。

 ヒダリマキマイマイは、右巻きで大型のカタツムリの代表のミスジマイマイと肩を並べる大きさだ。関東地方にはこのヒダリマキマイマイが結構多いので、東京周辺のアジサイの名所めぐりの際には、是非探してほしい。大型で一本線のカタツムリがいれば、それはたいていヒダリマキマイマイ。渦巻を前から見て、時計回りなら右巻き、反時計回りなら左巻きだ。

 アジサイを眺めながらの相合傘デートで、ヒダリマキマイマイを見つけて「ほら反時計回りだね」などとうんちくを披露したら、2人の愛が深まるかもしれない(変人と思われて破局を迎えても、昆虫記者は責任を取らない)。

 見た目が変わったカタツムリが好みなら、渓流沿いの壁面などにいるオオケマイマイがお勧めだ。渦巻に沿って太い毛が生えていて、毛むくじゃらマイマイといった感じだ。

渓流の壁面などで見かけることの多い、毛むくじゃらのオオケマイマイ。
渓流の壁面などで見かけることの多い、毛むくじゃらのオオケマイマイ。

(写真は特記しない限りすべて筆者撮影)

時事通信社・昆虫記者

天野和利(あまのかずとし)。時事通信社ロンドン特派員、シンガポール特派員、外国経済部部長を経て現在は国際メディアサービス班シニアエディター、昆虫記者。加盟紙向けの昆虫関連記事を執筆するとともに、時事ドットコムで「昆虫記者のなるほど探訪」を連載中。著書に「昆虫記者のなるほど探訪」(時事通信社)。ブログ、ツイッターでも昆虫情報を発信。

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