60日間の故障者リストに入っている投手と延長契約を交わした理由。復帰はまだ先。年齢はもうすぐ34歳
5月22日、ロサンゼルス・ドジャースは、「右投手のブレイク・トライネンと、2023年について、契約を1年延長することで合意に達した」と発表した。
トライネンは、リリーフ投手だ。来月末に34歳の誕生日を迎える。メジャーリーグ9年目の今シーズンは、開幕から3試合に投げただけ。右肩を痛め、4月22日に故障者リストへ入り、5月17日に60日間の故障者リストへ移った。復帰は、早くてもオールスター・ブレイク後の見込みだ。再び登板することなく、今シーズンを終える可能性もある。
昨年1月、ドジャースは、トライネンと2年1750万ドル(2021~22年)の再契約を交わした。この契約には、2023年の球団オプションがついていた。その年俸は800万ドル。オプションを破棄する場合、ドジャースは150万ドルの解約金をトライネンに支払う。
今回の延長契約は、球団オプションを行使しただけではない。2023年の年俸800万ドルは同じながら、2024年の「コンディショナル・オプション」がついているという。こちらの年俸は100万~700万ドル。特定の故障で離脱した期間により、年俸は変動する。契約の内容について、ドジャースは明らかにしていないが、ロサンゼルス・タイムズのジャック・ハリスらが報じている。
昨シーズン、トライネンは、チーム最多の72試合に登板し、32ホールドに加え、7セーブも挙げた。72.1イニングを投げ、奪三振率と与四球率は10.58と3.11、防御率は1.99だ。それまでの実績もあり、なかでも、オークランド・アスレティックス時代の2018年は、フルタイムのクローザーとして、68登板で38セーブ、80.1イニングで奪三振率11.20と与四球率2.35、防御率0.78を記録した。球種は、カッターとスライダー、シンカーと4シーム。奪三振率も低くはないが、多くのゴロを打たせる。ドジャースは、トライネンが復活すると考えていて、さらに、年齢による衰えはまだ先と見ているのだろう。
来シーズンのクローザー候補を、早々に確保したという見方もできる。昨シーズンまでクローザーだったケンリー・ジャンセン(現アトランタ・ブレーブス)の後任として、ドジャースは、開幕直前にシカゴ・ホワイトソックスからクレイグ・キンブレルを獲得した(「350セーブのクローザーに代わる「新クローザー」は372セーブ。レギュラークラスの外野手と交換に獲得」)。キンブレルは、今シーズンが終わるとFAになる。